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「お墓、どうしてます?」——その一言に、どこか心がざわついた経験はありませんか?
親の老いや見送り、そして自分たちのこれから。
そろそろ向き合わなければと思いつつも、何から手を付ければいいのか分からない……。
そんな人生の重たい課題を、驚くほどの軽やかさとあたたかなユーモアで包み込んでくれるのが、北大路公子さんのエッセイ『お墓、どうしてます? キミコの巣ごもりぐるぐる日記』です。
読み終えたあと、胸の奥にすーっとやさしい風が吹き抜け、
「あぁ、すぐに決められなくたっていいんだな」と
肩の荷が下りる本作の魅力をたっぷりお届けします。
1. 『お墓、どうしてます?』ってどんな本?:タイトルに騙される(いい意味で)極上エッセイ

タイトルを聞くと「お墓選びの解説書かな?」と思われるかもしれません。
この本は、エッセイストの北大路公子さんが、
お父様の死をきっかけに「そろそろお墓をどうにかしなければ」と
考え始めるところからスタートします。
……が、ページをめくっていくと、物語は見事なまでに、そして愛おしく脱線していきます。
お墓の話をしていたはずが、気づけば保護猫を迎えていたり、
札幌の猛烈な寒さでお風呂の桶が凍っていたり。
「あれ?お墓の決断は……?」と思わずクスッとしてしまう展開の連続です。
けれど、この「なかなか目的地に辿り着かない感じ」こそが、
まさに私たちが直面する現実そのもの。
大切な人を失ったあとも、日々の暮らしは怒涛のように続いていきます。
重い現実から少し目を背けたり、迷って寄り道したりしながら生きていくリアルな人の姿が、
そこに描かれています。

重たく考えないで肩の力を
抜いて生活する方が楽しいかも。
2. 読後に広がるのは、温泉に浸かったような「あたたかい安心感」
本書の最大の魅力は、「重いテーマを扱いながらも、読者を絶対に暗い気持ちにさせない」
という北大路さんの優しく軽やかな語り口です。
親を見送ったあとに押し寄せる現実的な手続き
(年金、銀行口座、携帯の解約、固定電話にかかってくるセールス電話……)。
暗証番号が分からずに途方に暮れる場面など、
誰もが「わかる……!」と膝を打つリアルなエピソードが満載です。
亡きお父様への想いを「愛されていたのか迷惑がられていたのか分からない」と
照れ隠し交じりに語りつつも、行間からはあふれんばかりの情と愛おしさがにじみ出ています。
読み終えたとき、心に残るのは重圧感ではなく、
「人はこうして迷いながら、泣いて笑って生きていくんだ」という深い納得感と、
じんわり広がる湯上りのような安心感です。

親にもお金のこととか、
なかなか聞きにくいよね。
3. 公子さんの“ぐうたら力”が教えてくれる、しなやかな強さ

日々「選ぶこと」「決めること」「正解を出すこと」を求められ、
決断疲れを起こしている現代の私達にとって、公子さんのスタンスは最高の癒やし薬です。
「決められない自分」を責めるのではなく、
「ま、いっか」と受け入れて目の前の暮らしを愛おしむ。
一見すると“だらしなさ”や“ぐうたら”に見える姿の裏には、父を送り、家長として母を支え、
時代や環境の変化をしなやかに生き抜く本当の強さと優しさが詰まっています。
「完璧にできなくても、迷ったままでも、ちゃんと前に進んでいるんだよ」
という著者からの温かいエールが、文章の端々から聞こえてくるようです。

終わりよければのんびりでいいよね。
4. 『お墓、どうしてます?』はこんな人におすすめ!
「お墓」や「見送り」という言葉に少しでも心がひっかかったことのある方なら、
きっと一生モノのお守りになる一冊です。
- 40代〜60代で、親の老いや看取り、今後の手続きが気になり始めた方
- 家族を見送った経験があり、当時の大変さや切なさをそっと癒やしたい方
- 「死」や「供養」というテーマを、重苦しくなく自然体で受け止めたい方
- 仕事や家事で「決断疲れ」をしていて、くすっと笑えて心がホッとする本を読みたい方
- 実家の片付けの帰り道や、年末年始に家族のことを考える静かな時間に読む本を探している方
「親の手続きってこんなに大変なんだ」と実感し始めている方にとっても、
心の準備と共感をもたらしてくれる頼もしい一冊になってくれます。
あわせて読みたいおすすめエッセイ
日常の「どうしようもない部分」を笑い飛ばし、
あたたかい気持ちにさせてくれるエッセイがお好きな方には、
こだまさんの『縁もゆかりもあったのだ』も全力でおすすめします!
引っ越し先での予想外の出会いや、不器用な人々との交流を描いた本作。
極度の人見知りでコミュニケーションに苦手意識がある私でも、
「こんな風に人と関わっていけたらいいな」と、じんわり勇気をもらえました。
人の温かさに触れてホッとしたい夜に、ぜひこちらの記事も覗いてみてください。
5. まとめ:私たちはもっと、迷ってもいいのかもしれない
『お墓、どうしてます?』は、脱線を繰り返しながらも、最後には「人を思い出すことこそが、
一番あたたかい弔いなのだ」という大切な事実に気づかせてくれます。
死は特別な終わりではなく、その先もだらだらと、けれど愛おしく続いていく「暮らし」の一部。
いつか自分や大切な人にその時が訪れたとき、
「そういえば北大路さんも、なかなかお墓を決められずに迷っていたっけな」と
笑って思い出せたら、それだけで救われる気がします。
生きるって大変だけど、そんなに肩肘張らなくても大丈夫。
頑張る毎日にちょっと疲れた夜、ぜひ温かいお茶をお供にページを開いてみてください。

僕は生きているうちにお墓
どうするか決めてもらうんだ。

残念ながら小判一枚も持ってないからね。
気になった方はこちらからチェックしてみてください。
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