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「うちの家族って、もしかして少し変わっているのかな?」 ふと、
そんな疑問を抱いたことはありませんか。
他人の家のルールは意外と見えないもので、自分が当たり前だと思っている日常が、
外から見ると少し不思議に映ることもありますよね。
この本は、親の深い愛情と、それが引き起こす少し歪んだ日常の間で揺れる少女の物語です。
「家族って何だろう」「信じるってどういうことだろう」
答えの出ないモヤモヤとした悩みを抱えているとき、この本を読むと、
自分の中にある感情の正体に気づけるかもしれません。
他人の心に寄り添うことの難しさと、それでも誰かを大切に想う温かさを教えてくれる、
心に刺さる一冊です。
親の愛情が招いた、少し奇妙な日常

子どもを救いたいという純粋な思い。それが、家族の形を少しずつ変えていきます。
主人公のちひろは、生まれたばかりの頃とても体が弱く、
ご両親は藁にもすがる思いで「金星のめぐみ」という怪しげな水に出会います。
不思議なことにちひろの症状はみるみる改善し、それ以来、
両親はその水と、それを勧める団体に深くのめり込んでいくのです。
客観的に見れば「だまされている」「弱みにつけ込まれている」と
嫌な気分になる状況かもしれません。
頭にタオルを乗せて水を掛け合う両親の姿は、周囲から見れば明らかに異様です。
けれど、その根底にあるのは「娘を健康に育てたい」という、痛いほどの親心なんですよね。
愛情が深すぎるあまりに盲目になってしまう人間の脆さが描かれていて、
もし自分が同じ立場だったら絶対にだまされないと言い切れるだろうか、と考えさせられます。

頭では分かっていても一回は
試したくなっちゃうんだよね。
重苦しさを和らげる、等身大の青春模様

家の中は少し異質でも、学校に行けば彼女は「普通の女の子」です。
物語の背景には新興宗教という重いテーマがありますが、決して暗いだけの話ではありません。
ちひろは、少し面食いでおしゃべりな、どこにでもいる中学生です。
エドワード・ファーロングに似ているという理由で南先生に夢中になったり、
授業中に似顔絵を描いたり。
そして、そんな彼女のそばにいる親友の「なべちゃん」の存在が、
物語にとても良いスパイスを与えてくれます。
なべちゃんは思ったことをズバッと言う性格で、
時に意地悪なことも言いますが、根底には優しさがあります。
そして、ちひろが憧れる南先生の、実は器が小さくてひどい性格が見え隠れする描写も、
なんだかとてもリアルでクスッと笑ってしまいます。
カルト的な集会に参加している家族の姿と、
同世代の友達と恋や受験の話で盛り上がる学校生活。
この二つの世界のギャップが、ちひろという少女の輪郭をくっきりと浮かび上がらせていて、
どんどんページをめくってしまいます。

自分の親が変な人だったら
恥ずかしくなっちゃうよ。
「正しさ」だけでは測れない家族の絆
外の世界を知っていくことで、彼女の心にも少しずつ変化が訪れます。
成長するにつれて、ちひろは少しずつ
「自分の家は世間からズレているのではないか」と気づき始めます。
家を出て行った姉のまーちゃん、目を覚まさせようと説得に来る雄三おじさん。
周囲の大人たちはちひろを異常な環境から救い出そうと手を差し伸べますが、
事はそう簡単ではありません。
なぜなら、ちひろにとって両親は、貧しいながらも愛情いっぱいに自分を育ててくれた、
かけがえのない存在だからです。
私たちはつい、正しいか間違っているかで物事を判断してしまいがちです。
でも、人の心や家族の繋がりは、そんなに単純に割り切れるものではありません。
「おかしな宗教から目を覚まして」と願うのは簡単ですが、
彼らを無理やり引き離すことが本当にちひろの幸せに繋がるのか。
正解が一つではない複雑な問題に、胸が締め付けられるような葛藤を感じます。

その人の幸せと自分が思う幸せが違うから
どうするのが正解なのか分からないよね…
こんなあなたにおすすめの一冊
日常のちょっとした人間関係に戸惑っている方に、手にとってほしい作品です。
・自分の家族や環境が「普通」じゃないかも、と悩んだことがある人(10代〜30代)
・大切な人を「信じる」ことの意味について深く考えてみたい人
・夜、一人で部屋にいるとき、誰かの心にそっと触れるような物語を読みたい人
・人間関係に少し疲れを感じていて、答えのない感情に寄り添ってほしい人
この本を読むと、他人の少し理解できない行動の裏にも、
その人なりの切実な想いや愛情が隠れているのかもしれない、と思えるようになります。
自分と違う価値観を持つ人に対しても、ほんの少しだけ優しい眼差しを向けたくなる。
そんな心の変化を味わえるはずです。
【あわせて読みたい】親から子への歪んだ愛情。死刑囚の真実に迫る『教誨』(柚月裕子)
『星の子』を読んで、家族のあり方や、
愛情が引き起こす歪みについて深く考えさせられた方に、
ぜひ次に手に取っていただきたいのが柚月裕子さんの『教誨(きょうかい)』です。
幼女2人を殺害したとして死刑囚となった女性が、
最期に残した「約束は守ったよ、褒めて」という不可解な言葉。
遠縁にあたる主人公がその謎を追ううちに浮かび上がってきたのは、
世間が非難するような「冷酷なモンスター」ではなく、不器用で哀しい一人の女性の姿でした。 『星の子』にも通じる、親からの呪縛や、閉鎖的な環境が生み出す悲劇に胸が締め付けられます。
こんな方におすすめ
・『星の子』を読んで、家族の繋がりや心の闇に興味を持った方
・世間で言われる「普通」や「正しさ」の裏側を知りたい方
・人間の弱さや哀しみに深く寄り添う、重厚なミステリーを読みたい方
なぜ彼女は我が子を手にかけてしまったのか。
外側からは決して見えない「家族の真実」に触れたとき、
きっとあなたも彼女たちの痛みに寄り添いたくなるはずです。
ぜひ、こちらの記事も覗いてみてくださいね。
まとめ:夜空を見上げる家族の姿に、胸が締め付けられた
読み終えた後、しばらく動けなくなるような不思議な余韻がありました。
私が一番心に残ったのは、物語の終盤で親子三人が丘に上がり、流れ星を見るシーンです。
その瞬間だけを切り取れば、ただ星空を見上げる幸せな家族の風景なのに、
世間との圧倒的なズレや、この先に待っているかもしれない困窮を想像すると、
なんとも言えない切なさが込み上げてきました。
ちひろを深く愛している両親の思いが痛いほど伝わってくるのに、
それが彼女を世間から孤立させていく原因にもなっている。
その矛盾に、ただただ胸が苦しくなりました。
私自身、少し人見知りなところがあり、直接誰かと関わるよりも、
こうして文章を通して自分の想いを整理する方が安心するタイプです。
だからこそ、ちひろが自分の殻や家族という小さな世界から外を見た時の戸惑いや、
それでも両親への愛を捨てきれない不器用な姿が、他人事とは思えませんでした。
ちひろの未来は決して平坦ではないかもしれません。
それでも、両親からの愛情が嘘ではなかったという事実だけは、
彼女の心の中に確実に残っていると感じました。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、
生の感情がそのまま詰め込まれたようなこの物語に、私は深く心を揺さぶられました。

世界的にみたら宗教はおかしくないけど
日本では変な目で見られることばかりだよね。

みんなは騙されないように気をつけないとダメだよ。
僕は嘘が見破れるメガネを50万円で買ったから大丈夫なんだよ。
気になった方はこちらからチェックしてみてください。
『星の子』は、各ストアで詳しく見られます!
読書の時間が取りにくい方には、耳で楽しめる「Audible」もおすすめです。
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