【感想】ピンピンコロリは理想じゃない?『お医者さんはなぜ「がんで死にたい」と言うのか? 超長寿時代の老いと死を考える』(佐藤眞一 著)

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親の老いを感じるようになったり、ふと自分自身の老後を想像したとき、
漠然とした不安を抱えることはありませんか?
「周りに迷惑をかけずに、苦しまずぽっくり逝きたいな」
そんなふうに考える方も多いと思います。

私も、なんとなく「ピンピンコロリ」が一番理想的な最期だと思っていました。
でも、この本を読むと、その価値観が少し変わるかもしれません。

本作は、50年以上にわたりがん患者を看取ってきた医師の柏木哲夫先生と、
癌サバイバーである佐藤眞一さんの対話を通して、現代の「老いと死」を見つめ直す一冊です。
目を背けたくなる「死」というテーマですが、決して暗い本ではありません。
むしろ、死について考えることで、今をどう生きるべきか、
心をふっと軽くしてくれるヒントが詰まっています。

未来の不安に押しつぶされそうになったとき、そっと寄り添ってくれるような作品です。

読書と猫が大好きです。
「次に何読もう?」のヒントになる記事を届けています。
あなたの“次の一冊”につながればうれしいです。

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「長生きしたくない」私たちの本音

長生きリスクのイメージ画像

長寿社会と言われる日本ですが、実は心から長生きを望んでいる人は多くありません。

ある調査では、「100歳以上長生きしたい」と思う人はたったの22%でした。
「配偶者より先に死にたい」「家族に迷惑をかけたくない」という思いが、
私たちの心の根底にはあるようです。

病気や介護のお金が心配。
体が動かなくなって、誰かのお世話になるのが申し訳ない。
そんな不安から、「長生き=リスク」のように感じてしまう社会の空気があります。
でも、人間は一人では生きていけません。
迷惑をかけること、お世話になることは、決して悪いことではないはずです。
「お世話され上手」になることの大切さを、この本は優しく教えてくれます。

ネオンくん
ネオンくん

僕たちもお世話してくれないと生きられないけど
可愛くお礼をすると喜んでくれるんだよ。

ピンピンコロリは本当に理想的なのか?

ピンピンコロリは本当に理想的なのか?イメージ画像

苦しまずにぽっくり逝く。多くの人が望む最期ですが、そこには意外な落とし穴がありました。

私たちは「自分が苦しまないこと」にばかり目がいきがちです。
けれど、残された家族の視点に立つとどうでしょうか。
なんの心の準備もできないまま、ある日突然、大切な人がいなくなってしまう。
その衝撃はとても大きく、悲しみが長引いてしまうことが多いそうです。

また、ぽっくり逝くということは、自分の人生を整理したり、
やり残したことを片付けたりする「準備期間」がないということでもあります。
お金のこと、感謝の気持ち、謝りたかったこと。
それらを伝える時間が持てないという現実を突きつけられ、ハッとさせられました。

ゴハンくん
ゴハンくん

僕のオヤツの隠し場所を
ネオン君に教えとこうと思ったけど
僕が忘れちゃったよ。

「がんで死にたい」の本当の意味

お医者さんが「がんで死にたい」と言うなんて、最初はとても驚きました。

その理由は、今の医療ではがんの痛みはかなりコントロールできるようになっているからです。
痛みが抑えられれば、意識を保ったまま、残された日々を過ごすことができます。

自分の人生には「あとどれくらいの時間があるか」がわかる。
それは、死ぬまでの時間を「準備期間」として使えるということです。
苦しかったこと、思い通りにいかなかったことも含めて、
自分の人生を振り返り、受け入れる時間。
「私の人生、これでよかったな」と心から思えたとき、
人は安らかに死を受け入れることができるそうです。
ただ生かされるのではなく、最期の瞬間まで「どう生きるか」を考えさせてくれます。

ネオンくん
ネオンくん

僕はビビリだから残りの時間が
分かったら逆に怖くなるタイプかも…

どんな人におすすめの本か

この本を通して気づきを得られそうなのは、こんな方たちです。

・40代〜60代の、親の老いや介護が気になり始めた世代の方
・「周りに迷惑をかけたくない」と頑張りすぎてしまう方
・自分の老後や将来のお金に、漠然とした不安を抱えている方
・「ピンピンコロリが一番いい」と信じている方

夜、ひとりでほっと一息つきながら、ゆっくりページをめくりたくなる本です。
老いや死というテーマを通して、「今のままでも大丈夫なのかもしれない」と、
少しだけ心が軽くなるのを感じられるはずです。
頑張りすぎている自分に気づき、周りの人にもう少し甘えてみようかな、
と思えるような温かさがあります。


こちらもオススメです

「自分らしい最期」や「医療との関わり方」についてもう少し深く考えてみたい方には、
こちらの本もおすすめです。

延命治療の代表ともいえる人工透析。
それを「やめる」という決断を下した患者と、正面から向き合った医師たちの葛藤を描いたノンフィクションです。
今回の記事で触れた「どう生き、どう死ぬか」というテーマに、
さらに別の角度から踏み込んでいます。
正解のない問いに向き合う家族や医療現場のリアルな姿に、深く考えさせられる1冊です。

▶︎ 『透析を止めた日』(堀川恵子)の紹介記事はこちら

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過去を受け入れ、今を生きるために

死に向き合うことは、決して怖いことではありませんでした。

お世話になりながら老いていく姿を見せることも、後に残る人への大切なメッセージになる。
そんな言葉に、肩の力が抜けました。
限界まで健康を目指すのではなく、
心も体も満たされた状態(ウェルビーイング)でいることが何より大切なんですよね。

ゴハンくん
ゴハンくん

僕ももう歳だけど幸せに生きてきたから
死んでも悲しまないでいいんだよ。

私が読み終えて感じたこと

私はこの本を読んで、自分自身の財産の場所や、将来どんな治療を望むのか、
元気な今のうちから家族と共有しておきたいと思いました。

ただ、離れて暮らしている自分の親や、妻の両親に、
そういったデリケートな話題をどうやって切り出せばいいのかは、正直まだ悩んでいます。
かなり大きな課題になりそうです。

普段から老いていく現実を受け入れ、少しずつ準備していくことが大事だとわかりました。
今はまだ元気ですが、何がきっかけで人は弱っていくのだろう、
と少し気になる部分もありました。

でも、怖がる必要はないのだと思えました。
蝋燭の火がゆっくりと小さく消えていくように、穏やかに死を受け入れていけたら。
自分の過去の失敗や挫折もすべて受け入れつつ、
大切な人たちと穏やかに暮らしていきたいと、心から思いました。

ネオンくん
ネオンくん

結局死なない人はいないと考えると
出会えた事が素敵に思えてきたよ。

ゴハンくん
ゴハンくん

僕が死んだらチュールを毎日供えてねって
遺言に書いておいたから少し怖くなくなったかも。


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