【感想】『透析を止めた日』(堀川恵子)あらすじとレビュー|終末医療と自分の生き方を考える

透析を止めた日サムネイル画像
スポンサーリンク

※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

created by Rinker
¥1,980 (2026/03/18 20:55:51時点 楽天市場調べ-詳細)

病気のこと。家族の最期のこと。そして、自分がどう生きたいのかということ。
普段はあまり考えないけれど、ふとした瞬間に心に浮かぶことはありませんか。

・もし大切な人が重い病気になったら
・延命治療を続けるかどうかを選ぶとき
・「尊厳ある最期」とは何なのか

そんな問いに、やさしく、けれど真っすぐ向き合える本があります。
それが、堀川恵子さんのノンフィクション『透析を止めた日』です。

この本を読むと、透析という治療の現実や、終末医療の問題を深く知ることができます。
そして何より、「人はどう生きて、どう最期を迎えるのか」という問いを、
あるひとりの男性の人生を通して考えることができる一冊です。
重いテーマですが、読んでいるうちに人の温かさや強さに触れ、
自分の人生を少し大切にしたくなりました。

読書と猫が大好きです。
「次に何読もう?」のヒントになる記事を届けています。
あなたの“次の一冊”につながればうれしいです。

本好きイーブイをフォローする
スポンサーリンク

『透析を止めた日』はどんな物語なのか(あらすじ)

重いテーマですが、読み始めると不思議とページが進みます。
そこには、ひとりの男性の人生と、夫婦の克明な記録があるからです。

この本は、ジャーナリストの堀川恵子さんが、
夫である林新さんの闘病を記録したノンフィクションです。
NHKの敏腕プロデューサーだった林さんは、
若い頃に遺伝性の難病「多発性嚢胞腎」と診断され、
腎臓の機能が失われていきます。
やがて、人工的に血液をきれいにする「透析」を受ける生活が始まりました。

透析は週3回、1回4時間以上。
それが一生続く治療です。
仕事、生活、体力、すべてが制限される中で、それでも林さんは仕事を続けました。
番組を作り、取材をし、本を読み続ける姿は、ただの闘病記ではありません。
「どう生きたいのか」を問い続ける、ひとりの人間の物語でした。

ゴハンくん
ゴハンくん

後のこと考えず、
食べ過ぎ飲み過ぎは
絶対後悔するからね。

想像以上に過酷な「透析」という治療の現実

透析センターのイメージ画像

多くの人は、透析の大変さをあまり知りません。
私も、この本を読むまでほとんど分かっていませんでした。
透析患者の生活は、想像以上に過酷です。

週3回病院に通い、1回4時間以上ベッドで過ごす。
水分は1日500mlほどに制限され、塩分や食事の制限もあり、毎回太い針を刺されます。
ただ横になっているだけではなく、体への負担はフルマラソンに近いとも言われています。

さらに、透析患者の多くは一人で病院に通っています。
どんな治療を受けているのか、
どれだけ大変なのかを周囲に理解してもらうことも簡単ではありません。
『透析を止めた日』を読むと、
透析という治療がどれほど体力と精神力を必要とするのかがひしひしと伝わってきます。

ネオンくん
ネオンくん

透析は時間かかるけど
寝ていたら終わると思っていたよ。

夫婦で記録した9年間と「透析を止める」決断

この本の大きな特徴は、
夫婦がジャーナリストであり、
日常を記録し続けていたことです。
病状、治療、生活の変化。
その記録が、この本の土台になっています。

林さんは一度、母親から腎臓移植を受け、透析のない生活を取り戻します。
旅行に行き、味覚が戻り、夢を語る「普通の時間」。
それは病気を経験した人にとって、何より尊い時間でした。
しかし、移植された腎臓もやがて限界を迎え、再び透析生活が始まります。

透析は基本的に、止めることが難しい治療です。
意識がなくなっても、寝たきりになっても続けられることが多いからこそ、
「透析を止める」という決断は重い意味を持ちます。
体が弱っても生きることを諦めなかった林さんですが、
病状が悪化し、透析そのものが体に強い負担をかけるようになったある日、
透析を止めることを決めます。
命をつなぐ治療を自分の意思で終えるという決断には、
言葉にできない葛藤があったはずです。

ゴハンくん
ゴハンくん

僕は自分で止める
決断できるかな…

日本の終末医療の問題ともう一つの選択肢「腹膜透析」

腹膜透析のイメージ画像

この本は、個人の闘病だけでなく、
日本の医療制度の問題にも踏み込んでいます。
特に衝撃的だったのが「緩和ケア」の現状です。
日本では長い間、緩和ケアは主にがん患者に限られており、
透析患者などは十分なケアを受けられないことがあります。
強い痛みがあっても薬が使えなかったり、
最期が近づいても安心して過ごせる環境が整っていないという現実に驚かされました。

また、本書の後半では「腹膜透析」というもう一つの選択肢が紹介されています
自宅でできる透析で生活の負担が少ないと言われており、
穏やかな最期を迎えた例も描かれています。
しかし、認知度の低さや医療体制の問題から、
日本でこの治療を選ぶ人はまだ少ないそうです。

ネオンくん
ネオンくん

もし透析と言われたら、
腹膜透析の事も聞いてみてね。

『透析を止めた日』はこんな人におすすめ

この本は、以下のような方にぜひ読んでほしい一冊です。

  • 30代〜シニア世代の方
  • 家族の病気や介護を経験している方
  • 医療や終末期の問題に関心がある方
  • 人生の生き方について考えたい方

決して軽い本ではないので、夜ひとりで落ち着いているときや、
休日の午後など、静かな時間に読むのがおすすめです。

読み終える頃には、人の強さや優しさを感じることができるはずです。


こちらもオススメです。

病気と向き合い、「自分はどう生きたいのか」を
真っ直ぐに問うノンフィクションといえば、
西加奈子さんの『くもをさがす』も強く心に残る一冊です。
カナダでの乳がん闘病を赤裸々に綴った作品ですが、
こちらも絶望の中にあっても失われない「生きる力」と「人の温かさ」を教えてくれます。
『透析を止めた日』に心を動かされた方には、
ぜひあわせて読んでいただきたい作品です。

created by Rinker
¥1,540 (2026/03/18 07:28:37時点 楽天市場調べ-詳細)

読後の感想・気づき:死に方より「生き方」が大切

「死の一瞬に尊厳があるのではなく、死へ向かう生に尊厳がある」
作中に登場するある医師の言葉が、とても印象に残りました。
この本から得られた一番の気づきは、死に方以上に
「どう生きるか」が大切だということです。

職場で、健康診断の数値が悪くて「そろそろ透析かも」と
冗談のように笑って話している人がいます。
でも、この本を読んだあとでは、それは決して笑えることではないと感じました。
実は私の義母も数値があまり良くなく、透析の話が出るかもしれない状況です。
だからこそ、この本は全く他人事には思えませんでした。

もし将来、義母が透析になったときには、
この本で知った「腹膜透析」という選択肢のことも一度相談してみたいと考えています。
それだけでも、この本を読んだ意味はとても大きかったです。

悲しみや悔しさ、迷いを抱えながら書かれた闘病の記録だからこそ、
読んでいて何度も胸がいっぱいになり、気づけば涙が出ていました。
でも、ただ苦しいだけの本ではありません。
病気と向き合う人、家族を支える人にとって、
何かを考える大切なきっかけになる本です。

「自分はどう生きたいのか」
そして「大切な人と過ごす時間を、もっと大事にしたい」。
心から、読んでよかったと思える一冊でした。

ゴハンくん
ゴハンくん

お医者さん達の過酷な
現場も知れてよかったよ。

ネオンくん
ネオンくん

保険の点数や、スタッフの数など
まだまだ見直すところはいっぱいでした。


気になった方はこちらからチェックしてみてください。
『透析を止めた日』は、各ストアで詳しく見られます!

created by Rinker
¥1,980 (2026/03/18 20:55:51時点 楽天市場調べ-詳細)

読書の時間が取りにくい方には、耳で楽しめる「Audible」もおすすめです。
通勤中や家事の合間に聴けるので、意外と読書が身近になりますよ。
→ Audibleを30日無料で試してみる

コメント

タイトルとURLをコピーしました