町田そのこ『星を掬う』感想|母に捨てられた娘が、再び自分の人生を歩き出すまでの物語

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「自分の人生が思い通りにならないのは、あの人のせいだ」 心の中で誰かを責めてしまい、
そんな自分に疲れてしまうことはありませんか。
本作は、行き場のない思いを抱え、人間関係に悩む心に、深く寄り添ってくれる物語です。
ページを開けば、過去の傷を抱えながらも前を向こうとする女性たちの姿に、
あなた自身の心を重ね合わせることができるはずです。

読んだ後はきっと、自分の人生をもう一度大切に生きてみようと、前向きな気持ちになれます。

読書と猫が大好きです。
「次に何読もう?」のヒントになる記事を届けています。
あなたの“次の一冊”につながればうれしいです。

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傷を抱えた女性たちの、いびつで温かい共同生活

過去に縛られ、逃げるように生きる彼女たちが偶然出会い、ひとつ屋根の下で暮らし始めます。

主人公の千鶴は、DVや借金癖のある元夫から逃れられない日々を送っていました。
ある日、彼女はかつて自分を捨てた実母・聖子と再会します。
しかし、母は若年性認知症を患い、過去に暴力を受けた女性・恵真とともに暮らしていました。
そこにケアマネージャーの彩子が加わり、奇妙な共同生活がスタートします。

彼女たちは皆、家族や社会から見放された痛みを抱えています。
距離が縮まったかと思えば反発し合い、不器用に関係を築いていく姿は、
どこか痛々しくも人間味に溢れています。
少しずつ心の壁を取り払っていく過程は、読む人の心を温かくほぐしてくれます。

ネオンくん
ネオンくん

生まれた環境によって辛い人生の
スタートになっちゃう人も出てきちゃうよね…

「不幸」は誰のせいなのか

物語の中で幾度となく突きつけられるこの問いは、私たちの日常にも深く関わっています。

誰かに傷つけられた過去があると、
「自分の不運は他人のせいだ」と思いたくなる瞬間があります。
登場人物たちもまた、その感情に苦しめられていました。
しかし、環境や他人のせいにしているうちは、本当の意味での自立は訪れません。

自分自身の感情と丁寧に向き合い、自分の足で立ち上がる。
その覚悟を決めたとき、人生にほんの少しの光が差すのだと、彼女たちの姿が教えてくれます。

ゴハンくん
ゴハンくん

自分がどうしていけばいいのか
ゆっくり考えれるといいね。

親子という「役割」を脱ぎ捨てる瞬間

血が繋がっているからといって、無条件に愛し合えるわけではない現実に、
物語は真正面から向き合います。

親だから完璧でなければならない。
子どもだから期待に応えなければならない。
そんな見えない「役割」に縛られ、苦しんでいる人は多いはずです。
物語の中では、単純な愛情や恨みだけでは片付けられない、複雑な母と娘の思いが交錯します。

血の繋がりよりも大切なのは、お互いを「ひとりの人間」として認め合うこと。
わかり合いたいと願うその姿勢こそが、関係を変えていくのだと気づかされます。

ネオンくん
ネオンくん

親でも子供でも
一人一人の人生があるんだね。

こんなあなたに手にとってほしい

悩みや迷いを抱える日常の中で、この物語はあなたの心を満たす時間を作ってくれます。

・おすすめの年代 20代〜50代の、人間関係や家族のあり方に悩むすべての方へ。

・こんな悩みを持つ人へ 家族との関係にわだかまりを感じている。
「あの人のせいで」と過去を悔やんでしまう癖がある。
人と距離を取りたいのに、本当は誰かと深く関わりたいと願っている。

・おすすめの読書シーン 一日の終わり、温かいお茶を淹れて、
ひとりでじっくりと活字に向き合いたい夜。
(我が家のネオンくんやゴハンくんのように、気まぐれな猫がそばで喉を鳴らす空間で読むのも素敵です)
家族や職場の人間関係に少し疲れてしまった週末の午後に。

・読後に得られる変化 自分の人生を、自分の意思で選んでいいのだと心が軽くなります。
完璧ではない自分や他者を許し、ほんの少し人にやさしくなれるはずです。


【あわせて読みたい】暗闇の中に確かな光を見つける再生の物語『とわの庭』

盲目の少女・とわが、過酷な運命に翻弄されながらも、
盲導犬のジョイや周囲のあたたかい人々に支えられ、
自分の足で世界へと歩み出していく物語です。
小川糸さんならではの、五感に響く美しい言葉の数々が、
傷ついた心を優しく包み込んでくれます。
理不尽な現実のなかでも決して希望を捨てず、
日常の小さな喜びに感謝して生きるとわの姿に、思わず涙がこぼれました。
絶望の先には必ず温かい場所があるのだと、読む人の背中をそっと押してくれる一冊です。

こんな人におすすめ 
・理不尽な環境の中でも前を向く主人公から勇気をもらいたい人
・五感を揺さぶるような、美しい日本語の表現に浸りたい人
・動物(特に犬)との深い絆を描いた作品が好きな人
・心がすり減っていて、やさしさや思いやりに触れたい時

[▶︎ 『とわの庭』の詳しい感想・レビュー記事はこちらから読めます]

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私はこの物語から、人生を選び直す勇気をもらいました

ページを閉じたとき、胸の奥にあった重たいしこりが、
ふっと溶けていくような感覚がありました。

私はこの本を読みながら、千鶴や聖子たちが抱える痛みに胸を締め付けられました。
親子の関係に正解はなく、時には傷つけ合うこともある。
それでも、言葉にできない思いを不器用に伝え合おうとする彼女たちの姿に、
確かな希望の光を感じました。

『星を掬う』というタイトルが、暗闇の中でわずかな光を見逃さず、
手のひらでそっとすくい上げるような、
彼女たちの生き方そのものを表しているように思いました。
過去は変えられなくても、これからの人生は自分で選んで紡いでいける。
そう背中を押してもらい、私自身の生き方をも愛おしく思えた一冊でした。

ゴハンくん
ゴハンくん

僕も保護されるまでは辛かったけど
頑張っていたらいい環境に巡り会えたんだ。

ネオンくん
ネオンくん

自分で理想の未来に
向かっていけば楽しんだよ。


気になった方はこちらからチェックしてみてください。

『星を掬う』は各ストアで詳しく見られます!

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