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「周りの人にどう思われるかな」「ちゃんと空気を読まなきゃ」
毎日そんなふうに気を張って、少し疲れていませんか?
実は私自身、とても人見知りで、いつも他人の顔色ばかり伺ってしまいます。
日常や人付き合いの中で、つい無難な言葉を選んでしまい、
後になって「もっと自分らしく振る舞えたらよかったのに」と落ち込むことも少なくありません。
でも、たまには「誰にどう思われたっていいじゃない!」と
心の中で叫びたくなることもありますよね。
今回ご紹介する綿矢りささんの『パッキパキ北京』は、
そんな窮屈な日常をパツンと弾けさせてくれるような、エネルギーに満ちた一冊です。
主人公の圧倒的なマイペースさと、図太いくらいの前向きさに触れるうち、
ガチガチに固まっていた心がすーっとほぐれていくのを感じるはず。
日々の生活でなんとなく息苦しさを感じている方に、
ページをめくって心を解放してほしい物語です。
コロナ禍の北京へ!想像を超える異世界への入り口

厳しい行動制限が敷かれていたコロナ禍の北京を舞台に、
非日常の空気が読者を一気に別世界へ連れて行ってくれます。
主人公の菖蒲(アヤメ)は、30代の元ホステス。
海外赴任中の夫から「中国での生活に馴染めず、適応障害気味で限界だから助けてほしい」と
SOSを受け、しぶしぶ中国へ渡ることになります。
日本で自由気ままに遊んでいた彼女を待ち受けていたのは、
湖も川も凍りつくほど厳しい寒さの北京でした。
街では春節の爆竹が火事になるほどの勢いで鳴り響き、
青信号を渡るのすら命がけという、日本とはまったく違う交通事情。
さらに、徹底した監視社会の息苦しさと、どこかカオスで熱気あふれる街の様子が、
圧倒的な筆力で描かれます。
ページをめくるたびに、まるで自分も分厚いダウンコートを着て、
冷たい風が吹く北京の街を歩いているような、生々しいリアリティを味わえます。
遠い異国の生活が、すぐ目の前にあるかのように感じられる没入感は、
この小説の大きな魅力です。

今の北京とコロナ禍の北京は
全然違う雰囲気だったんだろうな。
「精神勝利法」で我が道をゆく!菖蒲から学ぶ最強のメンタル

他人の評価なんて関係ない。
自分の人生は自分で正解にしていく彼女の姿に、スカッとさせられます。
物語をグイグイ引っ張っていく菖蒲のキャラクターが、とにかく突き抜けていて最高なのです。
彼女の最大の武器は「精神勝利法」。
これは、どんなに不利な状況や失敗であっても「自分が勝っている」と
思い込むことで心の平穏を保つという考え方です。
もともとは魯迅の『阿Q正伝』という別の小説に登場する言葉ですが、
菖蒲はこれを極限までポジティブに変換して使いこなします。
人見知りで、ついつい無難な道を選んでしまう私からすると、
彼女の「他人にどう思われようと、騙されないで自分の好きに生きる」
というスタンスは眩しいほどでした。
誰もがうらやむ経歴や、誰から見ても完璧な魅力を持っていなくても関係ありません。
「自分が勝っていると信じ込めば最強」という少し図々しいくらいの生き方は、
窮屈な現代を生き抜くための大切なヒントを教えてくれます。
毎日を「ボーナスステージ」のように楽しむ彼女を見ていると、
悩んでいる自分の背中を力強く叩いてもらえたような気分になります。

僕も常に最強の猫だと
思って過ごしているんだよ。
リアルすぎる北京の生活と、セレブすぎる犬の暮らし
ガイドブックには決して載っていない、
現地で暮らす人々の生活の匂いと驚きがたっぷり詰まっています。
夫が暮らす高級マンションは、料理や掃除をしてくれる人がいる至れり尽くせりの環境。
ブランドショップでお金を気にせず買い物を楽しみ、
異国の地でセレブ気分を満喫する菖蒲の描写は、読んでいてとてもワクワクします。
大皿料理のダイナミックさや、どこでも持ち帰りができるおおらかさ、
風水が溶け込んだ不思議な街並みなど、日本との文化の違いが鮮やかに描かれていて飽きません。
とくに驚いてしまったのは、愛犬のペイペイに専用の部屋が用意されていること。
我が家にもネオンくんとゴハンくんという二匹の愛猫がいますが、
さすがに彼らの専用部屋はありません。
「いいなぁ、ペイペイ…」と、つい我が家の猫たちと見比べて笑ってしまいました。
そんなクスッと笑える日常の描写が、
過酷なコロナ禍の背景と絶妙なバランスで混ざり合っています。

一度でいいからセレブな
生活を体験してみたいな。
こんな人におすすめ
日常のちょっとしたモヤモヤを吹き飛ばしたいときや、
自分の価値観を見つめ直したいときにぴったりの一冊です。
この本は、こんな悩みや気分の方にそっと寄り添ってくれます。
・他人の目が気になって、自分らしく振る舞えない人
・30代〜50代の、夫婦関係やこれからの生き方に悩む世代
・海外の異文化に触れて、凝り固まった価値観をほぐしたい人
・気持ちが塞ぎがちで、スカッと前向きなパワーをもらいたいとき
・夜、ひとりでリラックスしながら、クスッと笑える時間が欲しいとき
読み終えた後、「普通ってなんだろう」「もっと自分のために生きていいのかもしれない」と、
心がふわっと軽くなるのを感じられるはずです。
誰かと比べるのではなく、自分だけの幸せを見つけようと思えるようになります。
👉 こちらもオススメです:我が道を突き進む、もう一人の最強ヒロイン!
「他人の目を気にせず、自分を貫く姿にスカッとした!」という方には、
宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りに行く』もぴったりです。
舞台は滋賀県大津市。
「この夏を西武に捧げる」と宣言して毎日地元のテレビ中継に映り込んだり、
幼なじみを巻き込んでM-1グランプリに出場したり。
予測不能な行動で我が道を猛進する女子中学生・成瀬あかりの姿に、
ページをめくる手が止まらなくなります。
読めば必ず彼女を応援したくなる、爽快感たっぷりの青春小説です。
クスッと笑えて、明日からまた頑張ろうという特大のパワーをもらえますよ。
ぜひ、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
夫婦のすれ違いが教えてくれること
破天荒なコメディの中にも、
夫婦という関係性の難しさと普遍的な悩みがチクリと胸に刺さります。
異国でのドタバタ劇の裏で、
物語は「夫婦の価値観の違い」という深いテーマを丁寧に描き出しています。
子どもを持たずに今のまま自由に生きたいと願う菖蒲と、
50代になり子どもを強く望むようになった夫。
序盤こそ上手くバランスが取れているように見えた二人ですが、
時間が経つにつれて、ごまかしのきかない大きな溝が生まれていきます。
私自身も結婚して家族と暮らす中で、相手と考えが噛み合わない瞬間や、
価値観のズレを感じることを経験してきました。
北京という非日常の舞台でありながら、そこで描かれる夫婦の葛藤はとてもリアルで、
どこにでもある身近なものです。
「夫婦だから同じ夢を見なければいけないのか」
「決定的に違う価値観を持ったまま、どうやって共に生きていくのか」。
正解のない問いに向き合う二人の姿に、自分の日常を重ね合わせて、深く考えさせられました。

ネオン君と僕でも
大切にしている価値観は違うんだよ。
読んだあとに残る、清々しい気持ち
読み終えたとき、不思議と明日を生きるエネルギーがじんわりと湧いてきました。
最初、菖蒲のあまりの自由奔放さに「私にはこんなふうに生きられないな」
と戸惑う気持ちがありました。
でも物語が進むにつれて、自分の心に嘘をつかず、
どんな環境でも強引なまでに面白がってしまおうとする彼女の強さに、深く惹かれていきました。 読み終えたとき、
私は「もっと肩の力を抜いて、自分の人生のボーナスステージを楽しめばいいんだ」と
心から思いました。
普段は言いたいことを飲み込んでばかりの私ですが、
菖蒲から「完全勝利」の魔法を少しだけ分けてもらったような気がします。
明日もまた、いつものように慌ただしい日常が始まります。
でも、この本を閉じた後の日常は、昨日よりもほんの少しだけ明るく、
風通しの良いものに感じられました。 心がちょっと窮屈になったとき、
また開きたくなる大切な一冊です。

僕は怖がりでいつも隠れてるけど
捉え方を変えて好きなことしてみようかな。

猫も人も心は自由にならないとね
今日は会社や学校でお昼寝しちゃおうね。
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『パッキパキ北京』は各ストアで詳しく見られます!
読書の時間が取りにくい方には、耳で楽しめる「Audible」もおすすめです。
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