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人生に迷ってる人はこの本を読んで。心に火をつけてくれる『くもをさがす』西加奈子

kumowosagasu nishikanako cancer canada nonfiction.jpg 本の紹介
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目次

  1. はじめに
  2. カナダでの闘病とユーモア
  3. 恐怖と孤独、そして人とのつながり
  4. 医療の違いに見る文化
  5. 文章がくれる「疑似体験」の力
  6. 生き方を見つめ直すきっかけに
  7. おわりに

1. はじめに

西加奈子さんの『くもをさがす』を読了しました。カナダ滞在中に乳がんと診断され、異国の地での闘病生活を綴ったこの作品は、単なるエッセイや闘病記にとどまらず、「自分はこれからどう生きていきたいか?」を深く問いかけてくる一冊です。


2. カナダでの闘病とユーモア

カナダという慣れない土地での検査、診断、治療…。そのすべてが未知であり不安の連続だったはずなのに、西さんの語り口は驚くほどユーモラスです。バンクーバーの医療従事者との会話がまさかの関西弁で展開されるなど、重いテーマにもかかわらず、読み手の緊張をやわらげてくれる場面も多くありました。


3. 恐怖と孤独、そして人とのつながり

本の奥には、病の恐怖、体の痛み、心の揺れが確かに描かれていて、その生々しさに胸が詰まりました。一方で、家族や友人、現地の人々、そして猫の「エキ」との関係性には救いとあたたかさがありました。西さんが「支えられているのには理由がある」と語る場面には、ただの美談ではない、人としての在り方がにじみ出ていました。


4. 医療の違いに見る文化

日本とカナダの医療現場、そして従事者の考え方の違いも非常に興味深く描かれていました。西さんは「日本人は情に厚く、カナダ人は愛にあふれている」と語ります。この違いが、患者に対するアプローチにも影響を与えているように思えました。文化的な背景が医療の受け止め方に与える影響の大きさも実感させられます。


5. 文章がくれる「疑似体験」の力

読書とは何か──改めて考えさせられました。まるで自分が乳がんの告知を受けたかのように、恐怖や焦りを感じ、心細さに共感し、涙ぐむ瞬間がありました。本を読むということは、他人の人生を一時的に「生きてみる」ことなのだと、この作品を通して実感しました。


6. 生き方を見つめ直すきっかけに

私はがんサバイバーではありませんが、「やりたいことを後回しにしないで生きよう」と強く思いました。西さんが、きれいなこともそうでないことも正直に書いてくれたことで、私自身も「自分の人生をどう生きるか」を真剣に考えるきっかけになりました。


7. おわりに

『くもをさがす』は、自分の身体、自分の尊厳、自分の人生を「自分で決める」ことの大切さを教えてくれる本です。もし将来、自分が病気と向き合うときが来たら、この本をもう一度読み返したいと思いました。日常を当たり前と思わず、後悔のない人生を送りたい。そう強く背中を押してくれる、心に残る一冊です。

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