【ネタバレなし感想】『死写会』(五十嵐貴久)あらすじと魅力|昭和の闇と呪いが交差する傑作ホラーミステリ

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「ホラーが苦手だけど、ちょっと怖いものを読んでみたい」
「ページをめくる手が止まらない、ドキドキする読書をしたい」
「昭和の芸能界や映画業界の闇に興味がある」

そんな気持ちを抱えているなら、
五十嵐貴久さんの小説『死写会』はかなりストライクな一冊だと思います。

💡 この記事のポイント(『死写会』はこんな作品!)

  • あらすじ: 
    昭和の巨匠の遺作「試写会」の夜に起きる、凄惨な同時多発・集団怪死事件。
  • 見どころ: 
    呪いの謎を追う生存者たち。
    誰が生き残るか最後まで読めないミステリ展開。
  • 読後の感想: 
    ホラーの恐怖だけでなく、社会の「見て見ぬふり」を問われる重厚なテーマ性。

怖い、速い、重い。
読み始めたら最後、あっという間に読み終えてしまうのに、
読み終わったあとしばらく頭から離れない。
そんな作品の魅力と感想を、ネタバレなしでお伝えします。

読書と猫が大好きです。
「次に何読もう?」のヒントになる記事を届けています。
あなたの“次の一冊”につながればうれしいです。

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「昭和の巨匠」の遺作をめぐる集団怪死——『死写会』のあらすじと空気感

映画の試写会のイメージ画像

昭和三十九年に映画界に登場し、数多くの名作を生み出した監督・白波瀬仁。
巨匠と呼ばれながらも晩年は低迷し、
妻でプロデューサーの圭子に支えられながら二十五年ぶりの新作「妖奇-ayakasi-」
を完成させた直後、心筋梗塞で急死してしまいます。

主演女優も謎の死を遂げる中、配給会社「東活」は監督の死を公表しないまま、
東銀座で試写会を強行。

そして試写会の後。
晴海通りの歩道橋から二十人が一斉に飛び降り、
近くのレストランで四人が自らの喉を切り裂き、
東銀座駅で十九人が地下鉄に飛び込む——。
全員が試写会の参加者でした。

物語は、そんな衝撃的な夜から始まります。

「なぜ試写会を観た人たちが死んでいくのか」
「映画に何が仕込まれているのか」
「生き残った者たちはどうなるのか」

謎が謎を呼ぶ展開に、気づけば本を置けなくなっています。

ネオンくん
ネオンくん

みんなが一斉になんて
どうなってるんだろう…

【ネタバレなし】呪いの正体は”昭和の業”——ただのホラーではない理由

呪いのフィルムのイメージ画像

呪いの映像というと、「リング」や「らせん」
のようなビデオがコワい系のホラーを思い浮かべる方も多いと思います。
でも、この『死写会』が他の呪いホラーと少し違うのは、
その呪いに「明確な理由」がきちんとある点です。

華やかな昭和の映画界の裏側で、一体何が行われていたのか。
誰もが見て見ぬふりをしてきた「あるもの」が積み重なり、
映画のフィルムに宿ってしまった。
それが物語の核心にあります。

ネタバレは避けますが、怨念の正体が明らかになるシーンは、
怖さよりも先に「そうか、そういうことか」と腑に落ちる感覚がありました。
ただの”怖い話”で終わらせてはいけない。
誰かに握りつぶされた怒りの声が、
読み終えた後も自分の胸に重くのしかかってくるような、強烈な余韻が残ります。

ゴハンくん
ゴハンくん

コンプラって最近聞くけど
昔はやりたい放題だったんだね。

生き残った者たちの奮闘——最後まで予測不能なミステリ展開

試写会を最後まで観なかった、あるいは途中で席を立ったことで生き残った数人
(映画雑誌の編集者、新聞記者、映画評論家、宣伝担当者)。
彼らはそれぞれ、「自分だけ助かったのはなぜか」
「この映画には何があるのか」を調べ始めます。

この調査パートが、ミステリとしてとても丁寧に作られていて面白いんです。
一人ひとりのキャラクターが立っていて、
誰目線で読んでいるかによって感情が変わってくる構成になっています。

そして——この物語、主人公だからといって安全とは限りません。

「この人は大丈夫だろう」と思っていた登場人物が突然死ぬ。
そのたびに読んでいる自分もドキッとします。
誰が生き残るのか、最後まで気が抜けない。
それがこの作品の大きな魅力のひとつです。

ネオンくん
ネオンくん

幽霊には爪で引っ掻くの
効かないから嫌だな。

読後に残るもの——「見て見ぬふり」の罪への問いかけ

読み終えたあと、しばらく余韻が続きました。
怖かった、という感覚よりも「重かった」「考えさせられた」という感覚が大きかったです。

この作品が問いかけるのは、ホラー的な恐怖だけではありません。

  • 「あのとき声を上げなかった自分」
  • 「誰かが傷ついていると知りながら見て見ぬふりをしてしまったこと」

そういう経験が、誰の中にも多かれ少なかれあるんじゃないかと思います。
呪いの標的になるのは、直接手を下した人だけじゃない。
傍観者もまた、罪として裁かれる。

そのルールが明かされるシーンは、エンタメとしてゾクッとするのと同時に、
現実の自分自身への問いかけになりました。
読んだあと少しだけ、「見て見ぬふりをしない」
「声を上げる」ことへの意識が変わった気がします。

ゴハンくん
ゴハンくん

時代とともにルールが変わって
間違いに気づくこともあるよね。

こんな人におすすめ・こんなシーンで読みたい

改めてまとめると、こんな方に特に手に取ってほしい一冊です。

  • ホラーミステリが好きな10代〜50代の方
  • 「リング」「らせん」のような呪いもの作品が好きな方
  • 昭和の芸能・映画業界の裏側に興味がある方
  • 社会問題をエンタメとして消化したい方
  • 「誰かの声なき声」に触れたいと感じている方

読むシーンとしては、夜ひとりで落ち着いて読むのがいちばん合っています。
静まり返った夜の時間に読むと、怖さが自然と倍増。
ページをめくる手が止まらなくなります。
(通勤・通学の電車の中でも、
気づいたら乗り過ごしそうになるくらい引き込まれるので注意です!)

最近、理不尽な出来事にモヤモヤしているとき。
怒りや悲しみを持て余しているとき。
そんな気分のときに読むと、
この物語の”熱”が自分の感情とぴったり重なる瞬間があるかもしれません。


【あわせて読みたい】「記録から呪いを紐解く」もう一つの傑作 
『死写会』のように、関係者の証言や記録から「ある呪いの正体」
に迫っていくミステリ展開が好きな方には、
背筋さんの『近畿地方のある場所について』も非常におすすめです。

ネット掲示板の書き込みやオカルト誌の切り抜きなどを読み解くうちに、
読者自身が「気づいてはいけないこと」に気づいてしまう……。
まとわりつくような現代の恐怖を味わいたい方は、
ぜひこちらの記事も覗いてみてください。

読んでみての正直な感想:時代を超えて響く「怒り」の物語

私はこの本を手に取ったとき、正直「軽めのホラーかな」と思っていました。
でも読み始めたらすぐにその予感は覆されました。

歩道橋で二十人が一斉に飛び降りる場面、レストランで次々と事件が起きる場面。
最初の数十ページで「これは普通のホラーじゃない」と感じました。
怖いというより、圧倒される感覚です。

そして中盤から徐々に明らかになっていく「呪いの正体」に、
怒りにも似たものを感じながら読み進めました。

「なんでこんな目に遭わないといけなかったのか」
「もっと早く誰かが止めていれば」

そういう思いが積み重なって、フィルムに焼き付いてしまった。
そのリアリティが、怖さをより深くしていたと感じます。

読み終えたとき、
「うまく言語化できないけど、何か大事なものを受け取った」という感覚が残りました。
昭和から令和へ、時代は変わっても消えない怒りがある。
この作品はそれを、ホラーというジャンルで真正面から描いた傑作だと思います。

気になった方は、ぜひこの圧倒的な熱量と恐怖をご自身で体験してみてください!

ネオンくん
ネオンくん

僕は最後まで読んでも
何も起こらなかったよ。

ゴハンくん
ゴハンくん

そうなんだよかったね。
ところで後ろにいる人は誰なの?
ごめん。漏らさないでよ…。


気になった方はこちらからチェックしてみてください。
『死写会』は、各ストアで詳しく見られます!

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