この本で得られるもの
- 日々の「時間の使い方」を見直すヒント
- 「幸福の時間」を増やすための考え方
- やらなければならないことを「やりたいこと」に変えるコツ
- 人生をデザインするための時間ポートフォリオの作り方
- 無駄に過ぎていく時間を価値ある時間に変える具体的な工夫
時間を考えることは「どう生きるかを考えること」。私たちは日常の中で、つい「忙しい」「やることが多い」と感じながらも、立ち止まって時間をどう扱うかを考える機会は少ないのではないでしょうか。本書は、無意識に流れていく時間を、より充実したものに変えるための視点や実践的な方法を与えてくれる一冊でした。難しい理論ではなく、日常に落とし込めるヒントが多いので、誰にでもすぐに役立ちます。
時間の悩みは3つに集約できる
私たちがよく抱える時間の悩みは、実は大きく分けると3つにまとめられると著者は言います。
満足いく時間がおくれない
忙しくて時間が足りない
時間をどう選択したらいいか
これらの悩みは「自分で時間をコントロールできていない」という根本的な問題から来ています。本書では、その解決策を「人生の4つの時間」というシンプルな枠組みで提示しています。
人生の4つの時間

- 幸福の時間 … 満足感・充実感・達成感・快感・安らぎ感を味わえる時間
- 投資の時間 … 将来の幸福につながる学びや挑戦の時間
- 役割の時間 … 仕事や家事など「やらなければならないこと」
- 浪費の時間 … 何も得られずに消えてしまう時間
ここで大切なのは、「役割の時間」や「浪費の時間」も、考え方次第で「幸福」や「投資」に変えられるという視点です。例えば、通勤電車をただの「移動時間」と捉えるか、「電車オフィス」として勉強や読書をする時間にするかで価値は大きく変わります。最寄り駅までの徒歩も、季節の変化を感じながら歩けば「幸福の時間」になる。意識ひとつで、同じ時間でもまったく違う意味を持たせられるのです。
人が変わる3つの方法
- 時間配分を変える
- 住む場所を変える
- 付き合う人を変える
この3つは、人生を変える大きな要素です。特に「時間配分を変える」ことは、すぐに実行できる最初の一歩。仕事ばかりに偏っていた時間を、少しでも趣味や学びに振り分けることで、人生の満足度がぐっと高まります。
時間を「プロローグ」と「エピローグ」に
時間の使い方をより楽しく、意味あるものに変える考え方が「プロローグ化」と「エピローグ化」です。言葉は少し難しく感じるかもしれませんが、要するに「時間に物語を与える」ということです。
プロローグ化
未来の楽しみをあらかじめ用意して、今の時間に意味を持たせること。例えば「今日はこの仕事を頑張った後にお気に入りのビールを飲もう」と考えると、仕事そのものも未来のご褒美に向けた投資になります。休日をより楽しむために日々の仕事を頑張ることも、立派なプロローグ化です。
エピローグ化
過ぎた時間を振り返り、ポジティブに意味づけすること。失敗を「学び」に変えたり、出来事を「物語」として捉えることで、無駄だと思っていた時間も価値に変わります。ポイントは「熱いうちに振り返る」こと。すぐに振り返ることで納得感が増し、後悔が薄れるのです。
誰におすすめか?
- 「忙しい」といつも感じている人
- 幸せな時間が少ないと感じる人
- 将来のために今を犠牲にしてしまいがちな人
- 役割や義務に追われ、自分らしい時間が取れない人
どんなシーンで読みたいか
- 通勤や移動中に「自分の時間」を振り返りたいとき
- 新しい年度や生活の節目で、生活リズムを整えたいとき
- 仕事に疲れて「自分は何のために働いているのか」わからなくなったとき
特に「毎日が同じことの繰り返し」に感じられている方に、この本は新しい視点を与えてくれるでしょう。
読後に得られる気づき

- 「やらなければならないこと」も考え方ひとつで「やりたいこと」に変えられる
- 幸せの感じ方は自分で調整できる
- 不機嫌は最大の罪=自分と他人の時間を奪う行為であると実感できる
- ネーミングを工夫するだけで時間の価値は変わる(例:通勤電車=電車オフィス)
- 日常をストーリー化することで、毎日が物語のある豊かな時間になる
印象に残ったメッセージ
本書で特に心に残ったのは「幸せな時間を少しでも増やすことが大切」という考え方でした。また、何かをする・しないの選択自体に正解や不正解はなく、後悔しないように自分で意味を持たせていくことが大事だというメッセージにも納得しました。さらに「特別な毎日を追い求めるより、自分が満足できる1日を重ねることが大切」という表現は、完璧主義から解放されるヒントとして心に響きました。
実践したいと思ったこと
読んでいて「これなら自分でもできそう」と思ったポイントをいくつか挙げてみます。
1日の行動を振り返り、できるだけポジティブにまとめる
「失敗した」ではなく「次への学びができた」と言い換える。出来事を物語として振り返ることで、どんな1日も意味ある時間に変わる。
ゴールに楽しみを設定する
例:仕事の後に好きなカフェに寄る、勉強の後にお気に入りの音楽を聴くなど。先にご褒美を用意しておくと、今の時間にも意味が生まれる。
幸福の時間と投資の時間を先に予定に入れる
予定を立てるときに、まず「楽しみ」や「学び」の時間を確保してしまう。これで「やりたいことを後回しにして終わらない」という状態を防げる。
やりたいことを大・中・小に分ける
大:人生で絶対にやっておきたいこと(例:留学、資格取得など)
中:数ヶ月〜数年で実現したいこと(例:旅行、趣味の習得など)
小:1か月以内にできること(例:友人に会う、本を読むなど)
特に「中」のやりたいことは、死ぬ時に後悔するかどうかを基準にすると優先順位がわかりやすい。
ネーミングを変えて役割の時間を楽しくする
例:「通勤電車=電車オフィス」「朝の支度=一日のオープニングセレモニー」。呼び方を変えるだけで気持ちが前向きになる。
まとめ
『このプリン、いま食べるか?ガマンするか?』は、単なる時間管理の本ではなく、**「時間の使い方=人生の生き方」**を考えさせてくれる一冊です。
忙しい日常でも、役割や義務に追われる日々でも、時間の捉え方次第で幸福に変えられる。その発想を得ただけで、毎日の質は大きく変わると感じました。人生は選択の連続であり、その小さな選択が未来を形づくります。プリンを食べるかガマンするか──そんな小さな選択の積み重ねが、幸せな人生を作るのです。
この本は、読んだその日からすぐに生活に取り入れられる具体的な工夫が満載でした。私自身も「ゴールに楽しみを設定する」ことや「時間をストーリー化する」ことを実践してみたいと思います。
時間を考えることは、人生をデザインすること。ぜひ本書を手に取って、自分だけの時間ポートフォリオを描いてみてください。きっと、毎日の過ごし方が少しずつ変わり、幸福の時間が増えていくはずです。
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