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2025-08

藤崎翔

500年ぶりの復活──呪い人形お梅、現代で再び牙をむく!?

1. はじめに「呪いの人形」と聞けば、夜な夜な動き出して人を恐怖に陥れる——そんな背筋の凍る物語を想像する人が多いでしょう。ですが、藤崎翔さんの『お梅は呪いたい』は、その想像を気持ちよく裏切ってきます。本作は、戦国時代に一族を滅ぼしたとされ...
木塩鴨人

人との距離に悩んだすべての人へ。『月がある』がくれる静かな救い

1. この本との出会いSNSを眺めていたある日、ふと目に飛び込んできた一つの投稿。そこには、作者・木塩鴨人さんの作品『月がある』についての紹介がありました。その時は、作者が病気であることなど何も知りません。ただ、言葉の端々から伝わる温もりや...
乙一

誰かがいる。でも見えない。――乙一『暗いところで待ち合わせ』感想とレビュー

1. 作品概要『暗いところで待ち合わせ』は、乙一さんが描く心理サスペンス小説。駅のホームで起きた殺人事件と、視覚を失った女性の静かな暮らしが、思わぬ形で交錯します。「殺人犯」と「盲目の女性」という、絶対に交わらないはずの二人が、声を交わさず...
両@リベ大学長

半年で500万G!? 冒険しながら学べる『お金の大冒険 黄金のライオンと5つの力』レビュー

1. はじめにお金について学ぶ本はたくさんありますが、その多くは専門用語が多く、小学生にはちょっと難しいものがほとんどです。また、大人でも「投資」「資産運用」と聞くだけで身構えてしまう人も少なくありません。そんな中、『お金の大冒険 黄金のラ...
百田尚樹

「勇気は、行動の中にある」― 百田尚樹『夏の騎士』が教えてくれたこと

1. はじめに ― あの頃の自分に戻れる物語夏の夕暮れ、汗でシャツが肌に張り付くあの感覚。放課後の校庭に残るボールの音。秘密基地の中に入った瞬間の、ひんやりした空気。『夏の騎士』は、そんな「少年時代の匂い」まで呼び覚ましてくれる物語です。物...
町田そのこ

誰かのせいじゃない。自分の人生は、自分で選んでいい──『星を掬う』読後レビュー

「母に捨てられた」「不幸になったのは誰かのせい」「人生が思うようにいかない」——そんな感情にとらわれながら生きてきた主人公が、かつての母との記憶を辿り、再会し、赦し、そして自分自身の人生を歩き直すまでの物語。それが、町田そのこさんの小説『星...
新井素子

「くますけがいるから大丈夫」──ぬいぐるみと少女の、少し不思議で切ない物語

はじめに子どもの頃、ぬいぐるみに話しかけたり、まるで命があるように感じたりしたことはありませんか?新井素子さんの『くますけと一緒に』は、そんな“ぬいぐるみとの特別な絆”を軸に、家族の喪失、心の拠り所、そして新たな居場所を見つけるまでの成長を...
中山七里

その“善人”は誰かを殺した――『護られなかった者たちへ』に見る制度の罪と正義

はじめに飽食の時代といわれる現代日本で「餓死」を題材にした社会派ミステリー。中山七里の小説『護られなかった者たちへ』は、読む者の価値観を揺さぶり、社会制度の矛盾に切り込む衝撃作です。善人とされる人物が立て続けに餓死させられるという異様な事件...
宮下奈都

才能よりも「続ける力」が道をひらく。調律師をめざす青年の成長物語『羊と鋼の森』

1. 『羊と鋼の森』とは?──音の奥にある“森”を描いた物語本作は、ピアノの「調律師」という職業を中心に描かれた静かな成長の物語です。高校生の外村は、先生から頼まれてピアノ調律師・板鳥宗一郎を案内することになります。その出会いは、彼の人生を...
戸田久実

アドラー心理学で「伝え方」が劇的に変わる!戸田久実『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』読書レビュー

1. はじめに──たった1分で人間関係が変わる?「また余計なこと言っちゃった…」「ちゃんと伝えたはずなのに、相手の反応が冷たい」そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。言いたいことがあるのに、うまく伝えられない。言葉にした瞬間、相...