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2025-07

五十嵐貴久

『奇跡を蒔くひと』感想|地方医療を変えた一人の医師の覚悟と優しさに心が震える

1. 地方医療の現実と、詩波市民病院の危機舞台は、地方都市・詩波(しなみ)市にある市民病院。少子高齢化が進み、地域の人口も年々減少。財政難にあえぐ市の中で、病院の年間赤字はついに4億円に達した。「税金泥棒」とまで言われかねない中、市民の声が...
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『休養学』レビュー|「ちゃんと休んでるのに疲れが取れない」あなたへ

1. はじめに「なんとなく疲れが取れない」「休んでもスッキリしない」そんな悩みを抱えていませんか?私自身、夜勤をしており生活リズムが乱れがちです。便秘や慢性的な疲れも気になっていました。そんなときに出会ったのが、片野秀樹さんの『休養学 あな...
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『BUTTER』柚木麻子|料理と欲望から見えてくる“本物の自分”とは?

1. 作品概要とあらすじ柚木麻子さんの『BUTTER』は、実際に起きた首都圏連続不審死事件をモチーフにしたフィクション作品です。しかしこの小説は単なる事件の再構築ではなく、"女性"という存在の社会的な立ち位置や生き方、欲望や自己表現、そして...
多崎礼

異世界で心を奪われた|読後、放心した『レーエンデ国物語』感想レビュー

「読んだあと、何も手につかなくなる本に出会いたい」――そんな気持ちに応えてくれるのが、多崎礼さんの『レーエンデ国物語』です。政略結婚から逃げ出した貴族の娘・ユリア。彼女は英雄と称えられる父・ヘクトルとともに、銀呪病が蔓延する地――レーエンデ...
川上未映子

生きるって、こんなに過酷で、優しい──川上未映子『黄色い家』感想

「生きるって、こんなに過酷で、こんなにも優しい──」そんな矛盾に、涙が出そうになる物語に出会いました。川上未映子さんの『黄色い家』は、社会の片隅で声を上げられずに生きてきた女性たちの、生々しくて切実な日々を描いた物語です。読み進めるほどに、...
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小説『暗殺』の感想・考察|安倍元首相事件をモデルに描かれた衝撃作とは?

1. 『暗殺』柴田哲孝とはどんな本か?「あなたが信じている“真実”は、誰が作ったものですか?」柴田哲孝による小説『暗殺』は、2022年7月8日に起きた日本の元内閣総理大臣の銃撃事件をモチーフに描かれたフィクション作品です。作中で元首相・田布...
垣谷美雨

『マンダラチャート』垣谷美雨|63歳主婦が昭和で見た“女性差別の現実”と自分らしい生き方の選択。読むと自分の人生を見つめ直したくなる一冊

1. 小説『マンダラチャート』とは?「もし、あの時の自分に今の考えを伝えられたら──あなたは人生を変えたいと思いますか?」垣谷美雨さんの小説『マンダラチャート』は、63歳の主婦・北園雅美が、人生や社会への違和感を抱えながらも、自らのマンダラ...
有川浩

『クジラの彼』有川浩|自衛隊×恋愛の短編集が面白い!恋愛小説に飽きたあなたへ贈る、ちょっと特別な6つの物語

1. 自衛隊×恋愛という異色のテーマが、驚くほどリアルで心に沁みる「恋愛小説はもう読み尽くした」 「いつも似たような展開ばかりで新鮮味がない」 そんなふうに感じている人にこそ、ぜひ手に取ってほしいのが、有川浩さんの短編集『クジラの彼』です。...
宮島未奈

成瀬は天下を取りに行く|“自分らしく生きたい”すべての人に背中を押してくれる物語【宮島未奈】

続編『成瀬は信じた道をいく』はこちらSNSや人間関係で「他人の目」を気にして疲れていませんか?宮島未奈さんの小説『成瀬は天下を取りに行く』は、そんな現代人に「自分の気持ちに正直でいいんだ」と教えてくれる物語。突き抜けた女子高生・成瀬あかりの...
斎堂琴湖

未解決事件と母の執念を描く社会派ミステリー|『燃える氷華』感想・あらすじ紹介

1. 『燃える氷華』とはどんな小説か?未解決事件が絡む、心に残る女性刑事の物語を探している方へ。斎堂琴湖『燃える氷華』は、17年前に息子を亡くした51歳の女性刑事・蝶野未希を主人公に据えた、重厚な社会派ミステリーです。息子の遥希は当時5歳。...