人が動きたくなる理由とは?読んで驚く仕掛け学の魅力

『なぜ人は穴があると覗いてしまうのか』松村真宏の仕掛け学を解説する本の表紙画像

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松村真宏さんの『なぜ人は穴があると覗いてしまうのか』は、人の“ついしてしまう行動”を解き明かす楽しい一冊です。難しい知識がなくてもスラスラ読めて、明日から街の見え方がガラリと変わる本でした。

この本を読むと、
「人が動きたくなる理由」
「自分の行動が変わる仕掛け」
「仕事や日常に役立つ工夫の視点」
が自然と手に入ります。

ちょっとした遊び心が、こんなに人を動かすのかと驚きました。そして、発信や習慣づくりにもすぐ活かせる内容がたくさんあります。


仕掛け学が今の時代に必要な理由

現代は、あらゆる場面で「人が動かない」という悩みがあります。仕事、家庭、学校、SNS、あらゆる場所で「伝えているのに伝わらない」「言っても動いてくれない」と感じることがあります。

とはいえ、強制されると私たちは動きにくくなります。
「やりなさい」と言われるほど、やりたくなくなる。
これは大人も子どもも同じです。

一方で、
“ついやってしまった”
という行動には、驚くほど素直になります。

本書は、この「ついやってしまう」の正体を解き明かす学問です。

ゴミ箱の上にバスケットゴールをつけると、みんながゴミを拾って入れてしまう。
階段がピアノの鍵盤になると、階段を使う人が増える。
小便器に「的」があるだけで、飛び散りが減る。

どれも強制ではなく、遊び心と興味で人が動いてしまう仕組みです。

つまり、人の行動を変えるのは「正論」ではなく、「興味をひく仕掛け」なのです。


この本の魅力(ネタバレなし)

ティシュをもらってもらう工夫をしているイメージ画像

本書は、身近な例を使って「仕掛けの原理」をわかりやすく紹介しています。

文章はとても読みやすく、話し言葉に近い柔らかな語り口。難しい学術書とは真逆で、どちらかといえば“読み物”として楽しめるタイプです。

特に面白いのは、
「仕掛けが満たす3つのFAD要件」

  • 公平性…誰かが損したり嫌な思いをしない
  • 誘引性…ついやってしまう魅力がある
  • 目的の二重性…楽しさと目的達成が同時に叶う

たとえば、ゴミ箱のバスケットゴール。
「遊びたい」という気持ちと「ゴミを捨てる」という行動がひとつになっています。

この “二重の目的” が行動を自然に引き出してくれる。
この仕組みを知ると、世の中のあらゆる場面に仕掛けが隠れていることに気づきます。

さらに本書では、仕掛けを考えるコツも紹介されています。

  • 正論で動かそうとしない
  • 最初の3秒で勝負
  • 誰もが知るもので仕掛ける
  • ユーモアを使う
  • Win-Win をつくる
  • 新規性×親近性を組み合わせる

どれも「なるほど…!」と膝を打ちたくなるものばかり。
特に「最初の3秒、文字なら12文字」という基準は、ブログやSNSをやっている人にはとても刺さります。


誰におすすめか

この本は、年齢も職業も関係なく誰でも楽しめますが、とくにおすすめしたい読者像は以下の方です。

  • 人の行動に興味がある人
  • 行動経済学・心理学が好きな人
  • 習慣化が苦手な人
  • 子どもや部下がなかなか動いてくれないと悩んでいる人
  • 自分の発信をもっと読まれたいブロガー・SNSユーザー
  • 生活の中に「遊び心」を取り入れたい人
  • 街歩きや観察が好きな人
  • AIにない発想力を磨きたい人

特に、
「注意したくないけど、行動してほしい」
という場面が多い人には本当に役立ちます。

行動の“なぜ?”をもっと深く知りたい方は、ダン・アリエリーの『予想どおりに不合理』もぜひ。実験とユーモアで、人の非合理な行動がスッと理解できる名著です。


どんなシーンで読みたい本か

場面によって読みやすさが大きく変わる本ではなく、どこで読んでも楽しい軽やかさがあります。

とはいえ、特におすすめなのは以下のタイミングです。

  • 仕事で煮詰まった時の気分転換に
  • 通勤電車でサクッと学びたいとき
  • 休日の午後、コーヒー片手に読みたいとき
  • SNSやブログのネタに困っているとき
  • 何か新しい視点を得たいとき
  • 人間関係を少しラクにしたいとき

軽く読める一冊ですが、読み終えると日常の中の“仕掛け”に気づけるようになり、ものの見方が自然と変わります。


読後にどんな気づきや変化が得られるか

侍にピザを持ってきてもらえるサービスのイメージ画像

個人的に強く感じたのは、
「仕掛けは、人を幸せにするデザインだ」
ということでした。

読むほどに、行動を変えるのは叱責でもお願いでもなく、“楽しさ” なのだと分かります。

● 街が“仕掛けの宝探し”に変わる

本書を読むと、街のあらゆる場所に隠れた工夫が見えるようになります。
トイレの貼り紙、お店の注意書き、看板の配置、遊具の形。

今まで見過ごしてきた仕掛けに気づくたび、なんだか人生が豊かになっていく感覚がありました。

● 習慣化がラクになる

「やらなきゃ」ではなく「やりたくなる」仕組みを作る視点が身につきます。

早起きの例がわかりやすいです。
職場に近いから安心して寝坊してしまう“リスクホメオスタシス”の話は、とても納得しました。

結局、
「朝の楽しみをつくる」
という視点が習慣化には一番強いのです。

● AIにはできない「人の心の設計」を知る

AIは正論を言うことはできます。
でも、人間は正論どおり動きません。

だからこそ、
“人間らしい心の動きを理解して行動を促す”
という仕掛け学の視点は、AIと共存する時代にもっと必要になると思いました。


私が読んで特に心に残ったこと

私は普段ブログやSNSでも発信しますが、本書を読んでから「最初の12文字」をとても意識するようになりました。

たった12文字で、読む人が続きを読むか去るかが決まる。
これは仕掛け学の「最初の3秒」と同じ発想です。

また、
「仕掛けを見つけるには違和感に気づくことが大事」
という言葉にも深く共感しました。

写真を撮るつもりで外を歩くと、「何か面白いものないかな」と自然に周りを見る目になるので、普段なら気づかない小さな違和感にも出会いやすくなります。その違和感から “ひらめき” が生まれる。
この感覚は、創作や発信にもつながるものだと思いました。

意外と自分も仕掛けにかかっていたという発見も面白かったです。
つい覗いてしまう望遠鏡、ついやってしまう間違い探しのポスター、ついゴミ箱に向けて投げたくなるバスケットゴール。

仕掛ける側は大変かもしれないけれど、
ハマったときの喜びは仕掛けた人と仕掛けられた人の両方に訪れる。
この“Win-Win” な関係が、とても好きだと思いました。


仕掛け学が教えてくれる「人が動きたくなる環境のつくり方」

仕掛け学が面白いのは、
行動を強制するのではなく、
「その気にさせる」
というアプローチを取るところです。

つまり、行動の優先順位を上げる仕掛けをつくること。

やりたい理由がひとつ加わるだけで、人は行動しやすくなります。

本書を読んで感じたのは、
人間の行動は「心」と「目」で動くということです。

そして、仕掛けとはまさに、
人が目にしたものと心の領域との“化学反応”

この反応をつくる技術こそ、AIよりも人間が得意とする分野だと思いました。


まとめ|仕掛け学は“幸せを生むデザイン”

『なぜ人は穴があると覗いてしまうのか』は、
「人はなぜ動くのか?」
「どうすれば楽しく行動してもらえるか?」
という永遠のテーマに、優しく楽しく答えてくれる本です。

強制ではなく、遊び心で人を動かす。
押しつけではなく、ついやりたくなる工夫をつくる。

その視点は仕事にも日常にも活かせて、読んだ日から世界が少し明るくなる本でした。

あなたが誰かに何かを伝えるとき、
自分の習慣を変えたいとき、
もっと発信を読んでもらいたいとき、

きっとこの本が役に立つはずです。

仕掛け学は、読むほどに優しくてあたたかい学問でした。
そして、何より「楽しい」。
それこそが、人を動かす一番の力なのだと思います。


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