『婚活マエストロ』感想|出会いは何歳からでも始められる

宮島未奈『婚活マエストロ』40歳から人生が動き出す婚活小説の表紙

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「このまま歳を重ねて、何も変わらなかったらどうしよう」
「仕事はある。でも胸を張れるほどじゃない」

そんなふうに、これからのことを少し考える時間が増えてきた人に、
そっと寄り添ってくれる物語です。

婚活マエストロは、婚活をテーマにしながら、
本当に描いているのは「人生の再始動」です。

この本で得られることは、とてもシンプルです。

  • 婚活のリアルな空気感がわかる
  • 結婚だけが人生の正解ではないと気づける
  • 何歳からでも、人は役割を持てると知る
  • 「今からでも遅くない」と思える勇気がもらえる

派手な展開はありません。
でも、読み終えたあと、心のどこかが少し軽くなります。


主人公は40歳、Webライター。止まっていた人生が、静かに動き出す

婚活パーティーでお互い自己紹介しているイメージ画像

主人公の猪名川健人は、40歳。
在宅でWebライターとして働き、20年近く同じマンションに住み続けています。

仕事はあるけれど、将来が見えるほど安定しているわけでもない。
結婚もしていない。
大きな不満はないけれど、胸を張って「満足している」とも言えない。

そんな健人が、マンションの管理人・田中宏(80代)から
「婚活会社の記事を書いてほしい」と頼まれたことをきっかけに、
婚活の世界へ足を踏み入れていきます。

取材先は「ドリーム・ハピネス・プランニング」。
正直、ホームページは古臭く、頼りなさもある会社。

ところが、そこで出会った受付スタッフ・鏡原奈緒子は、
参加者の相性を“匂い”で感じ取るという、不思議な力を持つ女性でした。

彼女は「婚活マエストロ」と呼ばれ、
数多くのカップルを成立させてきた人物。

健人は、取材のつもりが婚活パーティーに参加し、
やがて運営を手伝う立場にまで巻き込まれていきます。


婚活パーティーは「出会いの場」以上のものだった

この物語に登場する婚活パーティーは、実にさまざまです。

  • 初心者向けの小規模パーティー
  • シニア世代が集まる婚活
  • 滋賀まで行く婚活バスツアー
  • 数十人規模の大規模イベント

参加者も年齢も背景もバラバラ。

70代で初めて婚活に来た男性。
親に言われて仕方なく参加した女性。
過去の失敗から、自信を失っている人。

彼らは決して「ガツガツした婚活戦士」ではありません。
どちらかというと、優しくて受け身で、
若い頃、うまくタイミングが合わなかっただけの人たちなのかもしれません。

でも、婚活の場に立つことで、
「自分は何を望んでいるのか」
「誰と、どんな時間を過ごしたいのか」
を少しずつ言葉にできるようになっていきます。


印象に残る、ストップウォッチの演出

本作の中で、とても印象的だったのが
婚活パーティーでタイマーではなくストップウォッチを使うという描写です。

一般的なタイマーは「残り時間」を意識させます。
でも、ストップウォッチは違います。

出会った瞬間をゼロとして、
そこから時間が積み重なっていく。

「ここから関係を築いていく」
そんなメッセージが込められた演出でした。

これは、鏡原さんの人柄そのものだと感じます。
焦らせない。
比べさせない。
今この瞬間を大切にさせる。

婚活に対する、やさしくて誠実な姿勢が伝わってきました。


鏡原奈緒子という「婚活マエストロ」の魅力

ミシガン船での婚活デートのイメージ画像

鏡原さんは、少し不思議で、でもとても現実的な人物です。

「うまくいきそうな人はたくさんいるけど、
惹かれる人はそう多くない」

この言葉は、恋愛だけでなく人生全体にも当てはまります。

条件が合う人。
安心できる人。
それだけでは、心は動かない。

だからこそ彼女は、
無理にカップルを作ろうとはしません。

成立しなかった人にも、
「今日はいい経験でしたね」と言える場所を作ろうとします。

婚活を「勝ち負け」にしない。
人生の一場面として扱う。

その姿勢が、この物語をとてもやさしいものにしています。


「ここから先」を想像したくなる読後感

読み終えた瞬間、物語が終わったというより、
「この人たちの人生は、まだ続いているんだな」と感じました。

大きなクライマックスがあるわけではありません。
全員のその後が描かれるわけでもありません。

でも、それがこの物語らしさでもあります。

人生は、いつも途中。
婚活も、仕事も、人間関係も。

すべてが完結しないからこそ、
続きを想像してしまう。

「シリーズ化してほしい」
「この人たちのその後が知りたい」

そう思わせてくれるのは、
登場人物一人ひとりが、生きているからだと思います。


この本は誰におすすめ?

40代前後で、将来に不安を感じ始めた人へ

結婚するかしないか、成功しているかどうかよりも、
「自分の人生にどう向き合うか」を問いかけてくれる物語です。

婚活に興味はあるけど、少し怖い人へ

婚活=しんどい、恥ずかしい、傷つく。
そんなイメージが、少しやわらぎます。

人生を立て直したいと思っている人へ

役割は、突然与えられることもある。
きっかけ一つで、人は変われる。
そのことを、そっと教えてくれます。


婚活や結婚をテーマにした物語としては、
辻村深月さんの傲慢と善良も印象に残っています。
出会いの場で人は何を見て、何を見落としてしまうのか。
『婚活マエストロ』よりも少しシリアスに、人の内面を深く掘り下げた一冊です。

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どんなシーンで読みたい?

  • 夜、ひとりで静かに過ごす時間
  • 将来のことを考えすぎて疲れたとき
  • 人の人生を覗き見たい気分のとき

短い章が多く、テンポもやさしいので、
一気読みも、少しずつ読むのもおすすめです。


『婚活マエストロ』が教えてくれたこと

出会いは、何歳になっても必要。
孤独は、できれば避けたい。

でもそれ以上に大切なのは、
「自分の人生に、もう一度関わること」。

健人は、婚活会社の記事を書くつもりが、
気づけば婚活の現場に関わり、
人の人生を支える側に立っていました。

若い頃に巡り合わせがなかっただけ。
役割を与えられていなかっただけ。

そういう人は、きっとたくさんいる。

この物語は、
「今からでも、人生は再始動できる」
と、静かに背中を押してくれます。


まとめ|婚活を通して描かれる、やさしい人生の物語

『婚活マエストロ』は、
婚活小説であり、人生小説です。

結婚する人も、しない人も、
カップルになった人も、ならなかった人も、
それぞれの時間は続いていきます。

だからこそ、読後はとても爽やか。

少し物足りなくて、
でも、心に残る。

「ちょっと婚活してみようかな」
「自分の人生も、まだこれからかもしれない」

そんな気持ちを抱かせてくれる一冊でした。


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