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この本を読んだあと、どんな気持ちが残るのか
毎日をちゃんと過ごしているはずなのに、
ふと立ち止まってしまう瞬間は誰にでもあります。
これでよかったのか。
別の選択肢もあったのではないか。
何かを急ぎすぎている気がする。
『カフェーの帰り道』は、
迷いを抱えたままの日常に、そっと居場所を作ってくれる物語です。
描かれているのは、
百年前を生きた人たちの暮らしです。
仕事をして、悩んで、また次の日を迎える。
そんな日々が続いていきます。
それなのに、読み終えたあと、
胸の奥に静かなあたたかさが残ります。
自分の歩いてきた道も、案外悪くなかったのかもしれない。
そんなふうに思えてくる一冊です。
上野の片隅にあった「カフェー西行」という場所

物語の舞台は、大正から昭和、戦後へと移っていく時代。
東京・上野の繁華街から少し外れた場所に、「カフェー西行」という店があります。
近所の人が立ち寄り、顔なじみの客がいつもの席に腰を下ろす。
町の中に、ひっそりとあるカフェーです。
女給がいて、客がいて、店主がいる。
店の中には、ゆっくりとした時間が流れています。
人が来て、過ごして、また去っていく。
その繰り返しの中で、
時代も、人の暮らしも、少しずつ変わっていきます。
比べてしまう気持ちを、そっとほどいてくれる物語
この作品に登場する女性たちは、
無意識のうちに誰かと自分を比べています。
学のある人。
美しい人。
若い人。
家庭を持つ人。
自分には何もない。
そう感じながらも、
日々を投げ出すことはありません。
文字が読めなかった女性が、
少しずつ字を覚えていく姿。
夢を諦めたはずなのに、
形を変えて書くことと関わり続ける人生。
嘘をつきながらでも、
誰かに見てほしいと願う心。
どれも、日々の中で起きていることばかりです。
比べてしまうことそのものを否定せず、
それでも生きていく姿を描いているところに、
この物語のやさしさがあります。
どんな人にすすめたい本か
この本は、年齢や立場を問いません。
ただ、こんな時期に手に取ると、
より深く響くように感じます。
・20代後半から40代
仕事や家庭、将来について考えることが増えた頃。
選択の積み重ねに迷いが出てきた人。
・50代以上
過去を振り返る時間が増え、
若い頃の自分や親世代を思い出すことが多くなった人。
・子育て世代
忙しさの中で、自分の気持ちを後回しにしている人。
誰かのために生きる時間が長くなった人。
・喪失を経験した人
大切な存在を失い、
悲しみの置き場が見つからない人。
・何者でもないと感じている人
目立った実績はなくても、
自分の人生に意味を見つけたい人。
場所や時間を越えて、静かに人の人生がつながっていく物語としては、
一枚の絵が人の縁を結んでいく
青山美智子『赤と青とエスキース』もおすすめです。
どんな気分のときに手に取りたくなるか
・少し疲れた夜
・心がざわついて落ち着かないとき
・前向きな言葉に疲れてしまったとき
・誰かの人生を静かに眺めたくなったとき
この本は、
無理に元気づけてきません。
代わりに、
同じ空気を吸いながら、
黙ってそばにいてくれるような存在です。
読むのにちょうどいい時間と場所
・通勤や通学の合間
連作短編なので、
少しずつ読み進めやすい構成です。
・夜、ひとりでコーヒーを飲みながら
物語に登場するコーヒーの場面が、
現実の時間と自然に重なります。
・休日の午後
特別な予定がない日に、
ゆっくりページをめくるのに向いています。
・気持ちが沈んでいるとき
読み進めるうちに、
思いがけず涙が出る場面もあります。
それでも読後は、少し気持ちが軽くなります。
戦争を描きながらも、読後が重くなりすぎない理由

物語の背景には、
戦争、徴兵、物資不足などがあります。
大切な人が戦地へ行き、
帰らないかもしれない手紙を待つ日々。
それでも、この作品は悲しみ一色にはなりません。
店主のささやかな気遣い。
客と女給の何気ない会話。
日常の中にある小さなやさしさ。
そうした場面が、
時代の暗さの中でも、
確かに人は生きていたのだと伝えてくれます。
そっと物語を支える男性たちの存在
この本では、
女性たちだけでなく、
周囲の男性たちの描かれ方も印象に残ります。
多くを語らず、
黙って見守る店主。
相手の可能性を信じて、
言葉をかける理髪師。
家族を思いながら、
戦地へ向かう若者たち。
登場する人たちは、
みんな少しずつ不器用です。
けれど、人を思う気持ちが、
物語全体に落ち着いた品を与えています。
時代が変わっても、変わらないもの
百年前の女性たちは、
着物に白いエプロンをつけて働いていました。
今とは環境も価値観も違います。
それでも、
・誰かに認められたい
・自分の居場所がほしい
・大切な人を守りたい
そんな気持ちは、
今とほとんど変わりません。
時代が違っても、
人の心の動きは変わらない。
そう感じられるところも、この本の魅力です。
読み終えたあとに残るもの
読み終えたあと、
自分の記憶とは違うはずなのに、
どこか懐かしい気持ちになります。
だけど、
・人生は一直線じゃなくてもいい
・回り道にも意味がある
・今いる場所も、案外悪くない
そんな気づきが、
しっかりと心に残ります。
誰かにやさしくしたくなったり、
自分の歩幅を大切にしたくなったり。
読み終えたあと、
少しだけ、気持ちに変化が残ります。
最後に
『カフェーの帰り道』は、
忙しい日々の合間に、
少し腰を下ろせる場所のような本です。
読み終えたあと、
コーヒーを淹れたくなったり、
タバコを呑みたくなったり、
少しだけ、時間の流れをゆっくり感じたくなります。
そんな余韻が残る一冊です。
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