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なぜ伝わらない?説明上手でも人を動かせない理由

横山信弘『わかりやすさよりも大切な話し方』書影|相手視点で伝える話し方を解説する本 横山信弘

この本で得られること

「わかりやすく説明しているのに、なぜか相手が動いてくれない」
「伝わったと思っていたのに、結局やってくれない」

こんな悩みを抱えていませんか?

横山信弘さんの『わかりやすさよりも大切な話し方』は、そんなモヤモヤを抱える人にとってのヒントがぎゅっと詰まった一冊です。

この本から得られる効果をまとめると――

  • 「伝わらない」悩みが「相手が動く会話」に変わる
  • 相手のタイプに合わせた話し方がわかる
  • 一回で伝わらなくても落ち込まなくなる
  • 自分自身の話し方のクセや強みが理解できる
  • 家庭でも職場でも人間関係がスムーズになる

ただの「話し方ハウツー本」ではなく、相手と自分の間に橋をかける方法を教えてくれる本です。


「わかりやすさ」よりも「相手を動かす」

本書で一番印象的なのは、この考え方です。

話し方は、説明の技術ではなく、相手を動かす技術だ。

たとえば、会議で企画を提案するとき。
「これはこういう仕組みで…」「メリットは…」と論理的に説明しても、最後に誰も動かなければ意味がありません。

むしろ「一緒にやってみませんか?」と未来の景色を描き、相手の気持ちを動かした方が物事は前に進みます。

つまり、「伝える」で終わらせるのではなく、その先に相手が行動する未来を見せること
これが“本当に伝わる話し方”なのです。


知識の呪い──わかってもらえない理由

女の子二人が会話しているイメージ

「なんでこれくらい理解できないの?」
そう思った経験はありませんか?

それは 知識の呪い のせいです。

一度知ってしまったことは、知らない人の立場で想像するのが難しい。
PCに詳しい人が初心者に「そんなこともわからないの?」と言ってしまうのはまさにこれ。

私たちが気づかないうちに、相手を置き去りにしてしまう原因です。


人が動くには段階がある

人は突然「やろう!」とはなりません。
動くまでには3つの段階があります。

  1. 気づき(あ、そうなんだと知る)
  2. なるほど(納得する)
  3. その気(やってみようと思う)

この流れを飛ばしてしまうと、相手は動けません。

たとえば、健康診断で「このままだと糖尿病になりますよ」と医師に言われても、すぐに生活を変えられる人は少ないでしょう。
まず「気づき」、次に「なるほど」と納得し、最後に「じゃあ少し歩こうかな」と思える。

その順番を意識することが、相手を動かす第一歩なのです。


バイアスという壁

さらにやっかいなのは、人間が持つ バイアス(思い込みの壁) です。

  • 現状維持バイアス:「今まで通りが安心」
  • 確証バイアス:「自分に都合のいい情報だけ信じる」
  • 正常性バイアス:「自分だけは大丈夫と思いたい」
  • 一般化バイアス:「前もダメだったから今回もダメだ」

私たちは無意識にこれらの壁を作っています。
だからこそ、一度説明しただけで人が動くことはまずないのです。

「伝わらない」と悩むのではなく、「相手には壁がある」と理解すると、気持ちがラクになります。


相手のタイプを見極める

会社の会議中のイメージ写真

横山さんは、人には燃え方の違いがあると説きます。

🔥 自然人(エリート・アピール型)

  • 熱意や期待で動くタイプ。
  • 「力を貸してほしい」と頼られると燃える。

🔥 可燃人(多数派・慎重派)

  • 周囲やリスク回避が原動力。
  • 「みんなもやってるよ」と言われると安心する。

🔥 不燃人(ドライ・アンチ型)

  • 感情では動かず、データや論理でしか納得しない。
  • 「理由」を求めるタイプ。

「同じ言葉を誰にでも投げる」から伝わらない。
相手に合わせて言葉を変えることが大切だと気づかされます。


身近すぎると届かない言葉

意外にハッとしたのがこの指摘です。

身近な人の言葉は、かえって届きにくい。

家族からの助言は素直に聞けないのに、第三者の意見だとスッと受け入れてしまう。
誰にでも心当たりがありますよね。

職場でも同じです。
上司の言葉より、外部の専門家の話の方が響くことがあります。
近すぎる距離感には「甘え」や「力関係」が混ざり込むからです。

「第三者の言葉が刺さる時もある」――これを理解しておくだけで、人間関係のイライラが減ります。


権威性が人を動かす

人は「肩書き」や「実績」に弱い生き物です。

  • 専門家のお墨付き
  • メディアへの露出
  • 社会的な評価
  • 長年のキャリア

こうした 権威性 を前にすると、私たちは自分の判断を疑い、相手の意見を受け入れやすくなります。

もちろん、盲目的に信じるのは危険ですが、「相手がなぜ動かないのか」を考えるときに、この視点は大きなヒントになります。


一回で伝わると思わない

本を読みながら、私自身が強く感じたのは、
「一回で伝わる方が珍しい」 ということでした。

今まで「どうして伝わらないんだろう」と悩んでいたのですが、
人によって動くスピードが違うのだと理解できてからは、
相手のペースに寄り添えばいいんだと思えるようになり、
肩の力が抜けました。


どんな人におすすめ?

  • 部下や後輩への指示が伝わらないと悩むリーダー
  • 子育てで「何度言っても同じ」と感じている親世代
  • 営業やプレゼンで「説明ばかりになってしまう」人
  • 人間関係で「相手に響く言葉が見つからない」人

職場でも家庭でも、コミュニケーションに悩むすべての人に役立ちます。

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どんなシーンで役立つ?

  • 会議やプレゼンで人を動かしたいとき
  • 部下に新しい取り組みを始めてもらいたいとき
  • 子どもに生活習慣を身につけてほしいとき
  • 地域活動で人を巻き込みたいとき

「わかりやすく説明する」から「相手が動きたくなるように話す」へ変えるだけで、同じ会話でも結果が変わります。


読後に得られる変化

  • 「伝わらない」というイライラが減る
  • 相手のタイプを自然に意識できる
  • 伝えることより、伝わることを大事にできる
  • 自分のタイプを理解し、無理のない話し方を選べる

人間関係がスムーズになるだけでなく、自分自身の心もラクになるのが、この本の大きな魅力です。


まとめ

横山信弘さんの『わかりやすさよりも大切な話し方』は、単なる話し方指南書ではありません。

  • 「自分視点」から「相手視点」へ
  • 相手のタイプに合わせる
  • 一回で伝わらなくても焦らない

この3つを意識するだけで、日常の会話がガラッと変わります。

「どうして伝わらないんだろう」と悩んでいる人にとって、 相手と気持ちよくつながれるヒントが詰まった一冊 です。


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