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日々の仕事や人間関係で少し疲れて、「たまには静かな山奥で一人になりたいな」と思うことはありませんか。
そんな気分で読み始めると、あまりのギャップに思わず声を上げてしまうのが本作です。
ソロキャンプを満喫するはずが、まさかの幽霊と殺人鬼に襲われるパニックサバイバル。
ハラハラする展開の連続なのに、なぜか笑えて最後には胸が熱くなる、極上のエンタメ体験が待っています。
ただ静かにキャンプをしたいだけだったのに…
主人公の斉藤ナツは、日頃のストレスから離れ、一人静かに時間を楽しもうと山奥のキャンプ場を訪れます。
ところが、そこで彼女を待ち受けていたのは、のんびりとした自然の癒やしではなく、不気味な幽霊との奇妙な出会いと、正体不明の殺人鬼による襲撃でした。
静寂の山中で次々と巻き起こる絶望的なピンチ。
「ただキャンプをしたいだけなのに!」という心の叫びとは裏腹に、ナツは命をかけたサバイバルへ放り込まれていきます。

最近はよくクマも出てくるから
落ち着いてキャンプもできないよね。
リアルな道具描写と、思わず試したくなるキャンプ飯

物語を支えているのが、細部まで作り込まれたキャンプシーンのリアルさです。
「キャンプ用品は軽くなるほど値段が重くなる」といった愛好家なら誰もが膝を打つリアルなあるあるや、道具選びの悩みが随所に散りばめられています。
特に印象的なのが料理の場面です。
トマトとバジルを使ったカプレーゼなど、恐怖や緊張感が続くサバイバルの合間に差し込まれる美味しそうな描写が、なんとも良いアクセントになっています。
緊迫した状況とのギャップがあるからこそ、こうした日常的な場面の魅力が一段と引き立っていました。

外で食べたら何でも
美味しくなる現象は何なんだろうね。
クールすぎる主人公・ナツと、幽霊との可笑しな会話
襲いかかる惨劇に対して、主人公・ナツが見せる独特のクールさがとにかく魅力的です。
幽霊が現れてもパニックを起こすどころか、自然体で会話を始めてしまう塩対応ぶりには思わず吹き出してしまいました。
重い過去を語り出す女の幽霊に向かって、「唐揚げ食べる?」と差し出す場面のシュールさは忘れられません。
一見すると冷めて見えるナツですが、その行動の根底には諦めない強さと、他人への密かな温かさが隠されています。
殺人鬼に襲われても絶望に屈せず、「どう生き延びるか」を冷静に考える姿には、読み進めるうちにどんどん勇気をもらえました。

僕はビビリだから
クールな人に憧れるんだよね。
怒涛のサスペンスバトルと、予想外の温かい余韻

暗視装置を持つ猟師や怪しい管理人など、次から次へと襲いかかる危機に対して、ナツはただ逃げるだけではありません。
相手を挑発し、道具を駆使して反撃に出る姿は、まるでアクション映画のヒロインを見ているような爽快感があります。
しかし、この作品の本当の凄さは、単なるパニックホラーでは終わらない点にあります。
異様な恐怖体験を通して描かれるのは、ナツ自身の心境の変化です。
他人と距離を置いていた彼女が、恐怖や奇妙な交流を経て「生きること」や「誰かと関わること」に向き合っていく姿には、思わず胸が熱くなりました。

その場で柔軟に対処していけるのって
カッコよすぎだよね。
誰におすすめの本か
本作は、次のような方にぜひ読んでほしい一冊です。
- キャンプやアウトドアが好きな人(リアルなギア知識やキャンプ飯が楽しめます)
- ハラハラするサスペンスやホラーが好きな人
- 人間関係や他人との距離感に少し疲れている人
ハラハラドキドキのサバイバルを味わいたい夜や、日常から少し離れてスカッとしたい時にぴったりです。
エンタメとしての面白さはもちろん、読み終えたあとにはどこかわだかまりが解けるような、前向きなエネルギーがもらえます。
あわせて読みたい
『パッキパキ北京』レビュー!異文化の波をポップに乗り越える主人公のたくましさに励まされる
幽霊にも殺人鬼にも動じないナツのシュールで頼もしい強さに魅了されたなら、こちらの作品もきっと刺さります。
中国・北京を舞台に、どんなハプニングも独自のユーモアとエネルギーで乗り越えていく『パッキパキ北京』(綿矢りさ著)。
ピンチを笑い飛ばすような女性の強さと疾走感を味わいたい方は、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。
ページを閉じたあとに残った「生きたい」という強い気持ち
最初は突拍子もない設定に驚かされましたが、一気に読み終えた今、心に残っているのは不思議な温かさでした。
恐怖と笑い、そして人間ドラマが見事に融合していて、ナツの逞しく生き抜く姿に何度も胸を打たれました。
「ただキャンプをしたいだけ」というシンプルな日常の裏にある、生きることへの情熱を感じられる素晴らしい作品に出会えて良かったです。

雪中キャンプ編もすごく面白かったから
すごくオススメだよ。

みんなは夏や冬、海や山
どこのキャンプが好きなのかな?
僕は砂浜バーベキューが一番かも。
気になった方はこちらからチェックしてみてください。
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