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読書好きな人と繋がりたい

千早茜

『しろがねの葉』千早茜|銀山に生きた少女ウメの物語

1. はじめに|なぜ今、『しろがねの葉』なのか千早茜さんの小説『しろがねの葉』は、戦国時代末期、関ヶ原の戦いを挟んだ時代の石見銀山を舞台に、一人の少女・ウメの人生を描いた物語です。歴史小説でありながら、名を残さぬ人々の息づかいや、時代に抗い...
坪井聖

『なでしこの記憶』感想|優しさに癒やされ涙する青春小説

はじめに『なでしこの記憶』は、ページをめくるたび胸がぎゅっと締めつけられ、読み終わる頃にはその痛みがじんわりと温かい涙に変わっている――そんな不思議な読後感をもたらしてくれる青春小説です。絵を描く意味を見失った少年・矢崎颯斗と、笑顔の奥に深...
垣谷美雨

垣谷美雨『マンダラチャート』|昭和の女性差別と生き方を描く

1. 小説『マンダラチャート』とは?「もし、あの時の自分に今の考えを伝えられたら──あなたは人生を変えたいと思いますか?」垣谷美雨さんの小説『マンダラチャート』は、63歳の主婦・北園雅美が、人生や社会への違和感を抱えながらも、自らのマンダラ...
安壇美緒

『ラブカは静かに弓を持つ』レビュー|嘘と心の距離感

1. 『ラブカは静かに弓を持つ』とはどんな本か?安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』は、著作権をテーマにした異色の小説です。全日本音楽著作権連盟(全著連)で働く橘樹(たちばな いつき)が、会社の指示で大手音楽教室「ミカサ音楽教室」にスパ...
本の紹介

家庭の闇と罪に迫る|『逃亡犯とゆびきり』考察と感想

1. 『逃亡犯とゆびきり』櫛木理宇|読後レビュー櫛木理宇によるサスペンス小説『逃亡犯とゆびきり』は、人間の心理、家庭の闇、そして救いのない現実を描いた衝撃作です。読後は、心に重くのしかかる余韻とともに、自分自身の“当たり前”を問い直す時間が...
チョ・ナムジュ

“女性だから”を背負わされる理不尽に気づく読書体験

はじめに:ディストピアではなく「現実」の物語『82年生まれ、キム・ジヨン』を読み終えたとき、まず思ったのは、「これはフィクションという形をとった現実だ」ということ。まるでディストピア小説のような世界。でも描かれているのは、私たちが今まさに生...
山崎豊子

『沈まぬ太陽 アフリカ篇 上』山崎豊子|理不尽と闘う信念の物語

目次はじめに労働組合の闘士・恩地元の姿報復人事という現実なぜ辞めないのか?恩地の葛藤航空会社の裏側と組織の闇夫婦の絆と孤独な戦い最後に:名作の持つ力1. はじめに山崎豊子による社会派小説『沈まぬ太陽』の第一巻「アフリカ篇・上」を読み終えまし...
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