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書評ブログ

金子玲介

友情は永遠なのか?声だけになった山田が問いかけるもの――『死んだ山田と教室』

この本で得られる気づき・効果友情の儚さと尊さを深く感じられる「死」と「生きる意味」を自分ごととして考えられる不老不死の孤独と残酷さを想像できる何気ない一言の重み、人を救う力に気付ける読後はきっと、「大切な友達に今、自分はどう接しているだろう...
綿矢りさ

コロナ禍の北京で完全勝利!? 綿矢りさ『パッキパキ北京』を読んで学んだ生き抜く力

この本から得られるもの海外駐在や移住生活のリアルな体験を疑似体験できる「どんな状況でも楽しむ力」を持つ菖蒲の生き方から学べる異文化や夫婦関係の価値観の違いについて考えられる自分らしく生きることの大切さを感じられるコロナ禍という特殊な時代の記...
原田ひ香

6人の“月収”から見えてくる、人生の本当の豊かさ

1. はじめに──お金は人生のすべてか?原田ひ香さんの『月収』は、お金を軸に6人の人生を描く連作短編集です。登場するのは、年齢も立場も背景もまったく異なる人たち。老後資金に悩む女性、夢と生活の狭間で揺れる作家、将来を見据えて投資に挑む会社員...
町田そのこ

誰かのせいじゃない。自分の人生は、自分で選んでいい──『星を掬う』読後レビュー

「母に捨てられた」「不幸になったのは誰かのせい」「人生が思うようにいかない」——そんな感情にとらわれながら生きてきた主人公が、かつての母との記憶を辿り、再会し、赦し、そして自分自身の人生を歩き直すまでの物語。それが、町田そのこさんの小説『星...
新井素子

「くますけがいるから大丈夫」──ぬいぐるみと少女の、少し不思議で切ない物語

はじめに子どもの頃、ぬいぐるみに話しかけたり、まるで命があるように感じたりしたことはありませんか?新井素子さんの『くますけと一緒に』は、そんな“ぬいぐるみとの特別な絆”を軸に、家族の喪失、心の拠り所、そして新たな居場所を見つけるまでの成長を...
久坂部羊

【書籍紹介】『怖い患者』久坂部羊|その感情、狂気と紙一重?

1. 本書は誰におすすめか精神的な揺らぎを感じている方医療現場や医者と患者の関係に興味のある方人間の心理や内面の闇に惹かれる読書が好きな方コロナ禍以降、「何を信じればいいのか」不安になった経験がある方短編でも骨太な読み応えを求める人自分は普...
本の紹介

人生に迷ってる人はこの本を読んで。心に火をつけてくれる『くもをさがす』西加奈子

目次はじめにカナダでの闘病とユーモア恐怖と孤独、そして人とのつながり医療の違いに見る文化文章がくれる「疑似体験」の力生き方を見つめ直すきっかけにおわりに1. はじめに西加奈子さんの『くもをさがす』を読了しました。カナダ滞在中に乳がんと診断さ...
本の紹介

愛されたいがゆえに壊れる心──『消えない月』畑野智美 ストーカー小説の衝撃

『消えない月』とはどんな物語か『消えない月』は、わずか1ヶ月半だけ交際していた男性が、別れを受け入れられずにストーカーへと変貌していく物語です。物語は被害者と加害者の両視点で描かれ、恋愛が狂気へと変わる瞬間が生々しく迫ってきます。「彼女はま...
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