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大切な人を失ったあと、それでも生きていかなければならない。
その現実に、そっと寄り添ってくれる小説があります。
それが、キッチンです。
この本を読むことで得られるのは、
「立ち直り方」や「答え」ではありません。
悲しみを抱えたままでも、生きていていくという感覚。
そして、日常の中に残る、かすかな温もりです。
喪失の中にある物語なのに、なぜこんなにも温かいのか

主人公・桜井みかげは、両親、祖父、祖母と、大切な家族を次々に失います。
気づけば、完全にひとりになってしまった彼女。
引っ越しを考えても、動く力が出ない。
そんなみかげが出会ったのが、田辺雄一と、その母・えり子のいる家でした。
そこでみかげが強く惹かれたのが、台所です。
料理をする音。
夜明け前の静けさ。
誰かが生きている気配。
台所は、みかげにとって「愛すべき場所」でした。
この物語は、死や喪失を真正面から描いています。
それなのに、読んでいると心が冷えきらない。
むしろ、どこか守られているような感覚が残ります。
それは、吉本ばななさんの文章が、
人が生きるうえで本当に大切な「日常」を、丁寧にすくい取っているからだと思います。
一緒にご飯を食べることの、ほんとうの意味
『キッチン』を読んで強く心に残るのは、
特別な出来事よりも、何気ない場面です。
一緒にご飯を食べること。
眠ること。
誰かの生活音を聞きながら過ごすこと。
普段なら、意識もしないようなこと。
でも、大切な人を失ったあとでは、それらがどれほど尊いかを思い知らされます。
死は突然やってきて、
世界に大きな穴を残していきます。
その穴は、簡単には埋まりません。
それでも人は、食べて、眠って、朝を迎える。
『キッチン』は、
「死を受け入れる話」ではなく、
「それでも生き続ける話」なのだと感じました。
誰におすすめしたい本か
この小説は、こんな人に特におすすめです。
・大切な人との別れを経験したことがある人
・失恋や環境の変化で、心が追いついていない人
・ひとりでいる時間が、少し怖く感じる人
・20代〜40代で、人生の足場が揺らいでいると感じる人
・やさしい物語に触れたい気分のとき
まだ大きな喪失を経験していなくても、
「いつか必ず訪れる別れ」を想像して、不安になる人にも響くと思います。
喪失を抱えながら生きる姿を描いた作品として、
千早茜『しろがねの葉』もあわせて読んでほしい作品です。
どんなシーンで読みたいか
この本は、忙しい合間に一気読みするより、
心が少し弱っているときに、ゆっくり読むのがおすすめです。
・夜、眠れないとき
・ひとりの休日
・人と距離を取りたい気分のとき
・悲しいニュースに心が疲れたとき
短い文章と、静かな余白が多いので、
少しずつ読み進めることができます。
ページをめくるたび、
自分の呼吸が整っていくような感覚があります。
読後に訪れる、ささやかな変化

『キッチン』を読み終えたあと、
劇的に前向きになるわけではありません。
でも、確実に変わることがあります。
・今そばにいる人を、もう一度大切にしようと思える
・「生きているだけでいい」と思える瞬間が増える
・日常の中の音や匂いに、少し敏感になる
喪失感は、消えません。
恐ろしいほど、長く残ります。
それでも、
誰かの存在や、温かい食事によって、
人は少しずつ前に進める。
この本は、そのことを押しつけがましくなく、
そっと教えてくれます。
作者・吉本ばななの表現が持つ力
吉本ばななさんの文章は、
綺麗で、やさしくて、でも決して甘すぎません。
死の描写も、悲しみも、逃げずに描く。
それでも、読者を突き放さない。
登場人物たちは、みんな不完全で、傷ついています。
それでも、純粋な愛を持っている。
だからこそ、
読みながら「自分もこのままでいいのかもしれない」と思えるのだと思います。
死を描いているのに、なぜ生きる力をもらえるのか
人はいつか必ず死ぬ。
大切な人とも、必ず別れる。
その事実を忘れないことは、
怖いけれど、とても大切なことなのかもしれません。
『キッチン』は、
死に囲まれた物語です。
それなのに、
読後に残るのは、
「それでも生きていこう」という確かな強さです。
人は外からの力より、
内側から少しずつ負けていく。
だからこそ、
誰かとご飯を食べること。
誰かの存在を感じることが、
生きる力になります。
まとめ:この本がそっと差し出してくれるもの
『キッチン』は、
人生を変える一冊、ではないかもしれません。
でも、
人生がしんどくなったとき、
そっと隣に置いておきたくなる一冊です。
大切な人を失っても、
世界は終わらない。
現実は、繰り返しスタートしていく。
その中で、
小さな温もりを見つけながら生きていく。
そんな姿を、
この小説は、静かに、やさしく描いています。
今、そばにいる人を大切にしたい。
そう思えたなら、
もうこの本は、あなたの中で役目を果たしているのかもしれません。
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