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『絶対正義』感想|正義を振りかざす怖さに震える小説【秋吉理香子】

本の紹介

『絶対正義』読了。正しさは人を救うか、それとも追い詰めるのか

目次

  1. 範子という存在がもたらす恐怖
  2. 「正義」は誰のためにあるのか
  3. SNS社会とのリンク
  4. 読後に残るモヤモヤと問い
  5. まとめ:正義とは何か

1. 範子という存在がもたらす恐怖

秋吉理香子さんの小説『絶対正義』を読み終えました。
物語の中心にいるのは、どんな些細な違反も見逃さず、法律を絶対と信じる女性・範子。
彼女の「正しさ」は、友人たちを次第に追い詰め、最終的には彼女自身が命を奪われることに繋がります。
にもかかわらず、数年後に届いた一通の招待状…。そこから始まる再会と再恐怖。


2. 「正義」は誰のためにあるのか

範子の正義は一切の情を許さず、「ルールを守ること」だけを価値とするもの。
でも、人が生きる社会はもっと複雑です。
ときには小さな嘘や気遣いが、人を救うこともある。
「ただ正しいだけ」では人は救えない、そんなメッセージを感じました。


3. SNS社会とのリンク

範子の言動は、今のSNS社会と重なる部分があります。
些細なミスも許されず、個人が糾弾される光景は日常茶飯事。
「正義」がどこか攻撃的に使われている現代への警鐘のようでもありました。


4. 読後に残るモヤモヤと問い

この小説は「スッキリする終わり方」ではありません。
でも、それがむしろリアル。
正義ってなんだろう?
誰に共感すべきだったんだろう?
読み終えた後、自分自身の価値観を見つめ直したくなる物語でした。


5. まとめ:正義とは何か

「正しいことをする」ことは本当に素晴らしい。
けれど、それが他人を傷つけるなら…それは本当に正義と呼べるのでしょうか。
この作品は、私たちが当たり前に信じている「正しさ」を揺さぶってきます。
ちょっと怖いけど、深く考えさせられる一冊でした。

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