正義は時代とともに変わる──古市憲寿『ヒノマル』から考えたこと

本の紹介

「心はいつだって自由」──時代に翻弄される若者たちの物語から考えたこと

昭和18年、戦時下の日本。
時代の空気をそのまま背負って生きる少年と、ひときわ異彩を放つ少女の出会いを軸に展開する、ひとつの青春物語。

お国のために尽くすことが正義とされた時代。
でも、正義って本当に一つだけ?
時代が変われば、正しさも、常識も、きっと揺らいでしまう。
そんな中で「何を信じて生きるか」を問われる姿は、どこか今の私たちにも重なります。

この物語には、作者の熱量や深い考察が詰まっていて、参考文献の多さからもその誠実さが伝わってきました。

戦争がもたらすのは、単に国と国の争いだけではない。
日々の暮らしや、人々の価値観をも大きく変えてしまう。
「普通に生きること」がどれほど難しいか、そうした現実が静かに描かれていました。

また、作品の中で交わされる印象的な言葉の数々には、今の時代にも通じる鋭さがあります。

「他人の心がわからないことは、人間に与えられた唯一の贈り物」
「いつだって、私たちの心は自由よ」

この言葉に、胸を打たれました。
混乱した時代の中で、それでも人は自由であろうとする──その姿はとても強くて、そして美しい。

これは、過去を描いた物語でありながら、私たち自身の「今」にも問いかけてくる作品だと思います。

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