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この本を読むと、
「自分が信じてきた記憶や愛は、本当に本物だったのだろうか」
そんな問いが、胸の奥に残ります。
答えを探しに読む本ではないのかもしれません。
でも、心の中にある迷い、後悔、手放せなかった気持ちに、そっと触れてきます。
誰かを愛したことがある人。
過去の選択を、ふと振り返ってしまう夜がある人。
この物語は、そんな気持ちに、じわじわと寄り添ってきます。
今回紹介するのは、 間埜心響さんの小説『二十五時のブラッディーマリー』。
※本記事は決定的なネタバレなしで感想・レビューを書いていますので、
これから読む方も安心してお楽しみください。
読み終えたあと、 もう一度、最初から読み返したくなる。
二十五時のブラッディーマリーは、どんな物語か
舞台は、深夜にひっそりと営業するバー「二十五時」。
そこを訪れるのは、スキャンダルを抱えた女優や、虚構の世界に生きる作家、
そして「出生の秘密」を持つ若者たちです。
誰もが心に何かを隠し、見ないふりをしてきた過去を持っています。
バーテンダーが差し出すカクテル「ブラッディーマリー」と不気味な合わせ鏡が、
彼らの奥底にある本当の愛と嘘を静かに映し出していく……。
秘密の果てに行き着く、少しダークで切ない大人のための群像劇です。

物語の中心にあるのは、深夜のバー「二十五時」。
そこで供されるカクテル、ブラッディーマリー。
お酒。
合わせ鏡。
そして、そこに映る「本当かどうかわからないもの」。
女優、作家、養子、母、恋人、夫など、
それぞれの人生が、少しずつ交差していきます。
誰かを愛した。
誰かを裏切った。
そのつもりはなくても、結果的に傷つけていた。
この物語は、
事実と妄想、現実と小説、その境目をあえて曖昧にします。
読みながら、
「今読んでいるのは、どこまでが現実なの?」
そんな感覚に、何度もなります。
でも、不思議と目を逸らせません。
むしろ、その曖昧さに引き込まれていきます。

大人になってもあまり
バーには行かないな。
『二十五時のブラッディーマリー』の空気感がたまらなく好きだった【感想】
全体に流れているのは、
甘さと苦さが混ざった、大人の時間。
ドロドロしているのに、
どこか美しい。
登場人物たちは、決して清らかではありません。
自分勝手で、弱くて、ずるい。
でも、
「わかるかもしれない」
と思ってしまう瞬間が、何度もあります。
特に印象に残るのは、
愛と創作が、切り離せなくなっている人物たち。
誰かを愛した経験が、
作品になり、
名声になり、
そしてまた、誰かを傷つける。
その循環が、とても人間らしく描かれています。

人生は駆け引き
の連続だね。
読みながら感じた「合わせ鏡」と悪魔が意味するもの【考察】

合わせ鏡の話は、
子どもの頃から、どこか怖かったですよね。
鏡は、
ただ映すだけのもの。
それなのに、
見たくないものまで映してしまう気がします。
この物語では、
合わせ鏡の中に悪魔が映っても、
目を合わせてはいけない。
それ以上のことは、はっきりとは語られません。
悪魔とは、
はっきりとした姿を持つものではなく、
何か別のものとして、そこにいる気がします。
知りたくなかった真実。
見ないふりをしてきた気持ち。
それらが、
「ほら、見てみなよ」
と、そっと語りかけてくる。
その感覚が、
この物語を読んでいて、とても印象に残りました。

子供の頃なんであんなに
怪談話が怖かったんだろう。
この小説は誰におすすめしたい本か
この本は、こんな人に届いてほしいです。
・30代〜50代くらいの大人
・恋愛や結婚、仕事で「これでよかったのかな」と思うことがある人
・過去の選択を、たまに思い出してしまう人
・一度読んだ本を、何度も味わいたい人
どこか少し不気味で、落ち着かない空気をまとった物語です。
だからこそ、心の隙間に、そっと残ります。
選ばなかった人生や、手に入らなかったものについて考えさせられる物語が好きな方には、
小川哲『君が手にするはずだった黄金について』もおすすめです。
どんなシーンで読みたいか
読むタイミングも、とても大事な本です。
・夜、ひとりで過ごす時間
・お酒を少し飲みながら
・一日が終わって、頭を空っぽにしたいとき
・眠る前に、ゆっくりページをめくりたい夜
通勤中に一気読み、というよりは、
少しずつ、味わうように読むのがおすすめです。
ページを閉じたあと、
しばらく考えごとをしてしまう。
そんな読書時間になります。

ブラッディーマリー
ちゃんと用意してね。
読後に残る気づきと変化
読み終えたあと、
ふと鏡を見るのを、ためらう瞬間があるかもしれません。
でも、
考え方が少しだけ、変わります。
・人は、誰か一人だけを完全に愛するのは難しいのかもしれない
・正しさよりも、弱さで選んできた道もあった
・それでも、生きてきた時間は嘘じゃない
そんなふうに、
自分の過去を、少し許せるようになります。
「これでよかったのかもしれない」
そう思える瞬間が、増えるかもしれません。

合わせ鏡してみれば。
最後に、この本がくれたもの
『二十五時のブラッディーマリー』は、
気づくと、思考の深いところに入り込んでいるような作品です。
ただ、
問いだけを残します。
その問いを、
どう受け取るかは、読み手次第です。
一度読んだだけでは、
きっと全部は見えません。
もう一度、最初から読むと、
見え方が変わります。
それは、
自分自身が少し変わっているからかもしれません。
もし今、
過去に引っかかる気持ちがあるなら。
手に取ってみてほしい一冊です。
きっと、
あなたの中の「何か」が、
鏡に映るはずです。
気になった方はこちらからチェックしてみてください。
『二十五時のブラッディーマリー』は、各ストアで詳しく見られます!
読書の時間が取りにくい方には、耳で楽しめる「Audible」もおすすめです。
通勤中や家事の合間に聴けるので、意外と読書が身近になりますよ。
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