背景を知らずに読むのはもったいない。『ガリバー旅行記』で気づいた、寓話の深み
英語初中級者向けのラダーシリーズLevel 2。でも、なぜか他の本よりも難しく感じる。そう思ったことはありませんか?
今回紹介するのは、簡単なはずなのに読み応えがあった1冊、『ガリバー旅行記(新版)』。英語力以上に「背景知識」が試される一冊です。
寓話や風刺に苦手意識のある方こそ、この本から得られる発見があるかもしれません。
誰のための一冊か?
この本は、英語多読を始めたけど、物語に入り込めないと感じている人や、「児童向け=簡単すぎる」と思っている大人の学習者にぴったりです。
読み進めながら「これってどういう意味?」「なぜこの展開になるの?」と考えさせられる構成で、語彙以上の読解力を鍛えられます。
意外と骨太!セリフ少なめ、説明多めで手ごわい一冊
ラダーシリーズLevel 2ということで、語彙は基本的に中学生レベル。でも本書は、セリフが少なく地の文が多いため、場面の把握に苦労するかもしれません。
たとえば、リリパットの国で小人たちに縛られたシーン。「なぜ彼らはこんな行動をとるのか?」と背景を知らずに読むと、単なる奇想天外なエピソードに感じてしまいます。
でも実はこの国は、当時のイギリス政治の縮図。与党と野党の対立、役人の出世競争、宗教問題……。そうした知識があると、場面の奥行きが一気に深まります。
つまり、文章は平易でも、物語の「意味」は深いのです。
読み切れた理由は「最後まで付き合ってくれた本」だったから
途中、何度も挫けそうになりました。展開が単調に感じたり、登場人物の意図が分からなかったり…。
それでも読み切れたのは、物語が自分を突き放さず、少しずつ世界観を見せてくれたから。
特に終盤、ガリバーが大人の社会に戻ってくる場面では、「人間とは何か」という問いに圧倒されました。子ども向けの話かと思いきや、まるで人生そのものを問い直すような深さがあるのです。
自分に合った読書スタイルを見つけよう
今回、私は「セリフが多い方が読みやすい」と気づきました。会話はテンポよく読み進められ、場面の動きも掴みやすい。
逆に、寓話的な話は背景を知らないとつまずきやすい――そんな発見も、この1冊から得られました。
だからこそ、簡易英語の本でも「ジャンル選び」は大事なんだと実感しました。
「やさしい英語」でも、侮れない深さがある
『ガリバー旅行記』は、読む人の知識や経験によってまったく印象が変わる本です。
英語学習者の皆さん、レベルだけで選ばず、自分の読みやすいスタイルにも注目して本を選んでみてくださいね。
気になった方はこちらからチェックしてみてください。
『ガリバー旅行記[新版] Gulliver’s Travels (ラダーシリーズ Level 2)』は各ストアで詳しく見られます!
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