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書評

藤崎翔

500年ぶりの復活──呪い人形お梅、現代で再び牙をむく!?

1. はじめに「呪いの人形」と聞けば、夜な夜な動き出して人を恐怖に陥れる——そんな背筋の凍る物語を想像する人が多いでしょう。ですが、藤崎翔さんの『お梅は呪いたい』は、その想像を気持ちよく裏切ってきます。本作は、戦国時代に一族を滅ぼしたとされ...
百田尚樹

「勇気は、行動の中にある」― 百田尚樹『夏の騎士』が教えてくれたこと

1. はじめに ― あの頃の自分に戻れる物語夏の夕暮れ、汗でシャツが肌に張り付くあの感覚。放課後の校庭に残るボールの音。秘密基地の中に入った瞬間の、ひんやりした空気。『夏の騎士』は、そんな「少年時代の匂い」まで呼び覚ましてくれる物語です。物...
中山七里

その“善人”は誰かを殺した――『護られなかった者たちへ』に見る制度の罪と正義

はじめに飽食の時代といわれる現代日本で「餓死」を題材にした社会派ミステリー。中山七里の小説『護られなかった者たちへ』は、読む者の価値観を揺さぶり、社会制度の矛盾に切り込む衝撃作です。善人とされる人物が立て続けに餓死させられるという異様な事件...
逢坂冬馬

【書評】『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬|戦争の正義と憎しみを問う、ひとりの少女の壮絶な成長譚

1. はじめにもし、すべてを奪われたら——あなたは何のために戦いますか?そして、どこまでが“正義”だと信じられますか?逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』は、そんな問いを突きつけてくる物語です。本書は、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞...
喜多川泰

【書評】『賢者の書』喜多川泰|今日から「どんな人間になりたいか」を考えてみよう

1. はじめに|この本が心を動かす理由『賢者の書』は、読み終えた瞬間に「今日から新しい人生を生きよう」と思わせてくれる稀有な一冊です。単なる自己啓発書ではなく、物語を通して深く人生の本質に問いかける力を持っています。喜多川泰さんの作品はどれ...
喜多川泰

幸せになりたい人へ|『「福」に憑かれた男』が教える本当の幸福とは?

『「福」に憑かれた男』感想レビュー|幸せとは何かを教えてくれる優しい物語1. 「幸せになりたい」と思っている人に贈る一冊「今、自分は幸せなんだろうか?」とふと立ち止まったとき、この本がそっと心をあたためてくれます。喜多川泰さんの『「福」に憑...
ダニエル・キイス

知的障害と共感の物語『アルジャーノンに花束を』感想と気づき

1. 「アルジャーノンに花束を」ってどんな話?『アルジャーノンに花束を』は、ダニエル・キイスが書いた感動の小説。知的障害のある青年チャーリイ・ゴードンが、脳の手術を受けてIQがぐんと上がり、やがてまた元に戻っていくというお話です。物語はチャ...
幸田真音

幸田真音『人工知能』小説感想|自動運転の暴走事故が描くAI社会の危うさ

1. 中国と日本のAI事情の違い近年、人工知能(AI)の進化はめざましく、特に中国ではそのスピードが異常ともいえるほど速い。監視カメラや顔認証技術、AIによるビッグデータ解析など、人権やプライバシーを犠牲にしてでも技術を前進させている姿勢は...
小川哲

“クイズってこんなに面白いの!?”を体感できる物語|『君のクイズ』(小川哲)

1. クイズ=娯楽?それだけじゃなかった「クイズ」と聞くと、テレビのバラエティ番組で楽しむ軽い娯楽、というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。けれど、『君のクイズ』(小川哲)を読み終えたとき、私はその認識が大きく覆されました。...
山本文緒

『無人島のふたり:120日以上生きなくちゃ日記 』(山本文緒)——惰性で生きる毎日から、自分を取り戻すきっかけに

目次はじめに膵臓がんステージ4——日々が「最後」になる「うまく死ねますように」に込められた祈り書くことを最後まで手放さなかった作家の魂残される人への想い読後に残ったもの——人生の問いと行動への決意おわりに1. はじめに『無人島のふたり』は、...
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