辻村 深月 「止まった時間」に取り残された高校生たち――辻村深月が描く切ない青春 はじめに ― 分厚い「鈍器本」に挑む体験辻村深月さんのデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』。初めて手にしたときにまず驚かされるのは、その厚さです。ハードカバーで700ページ近い、まさに「鈍器本」と呼ぶにふさわしい存在感。普段から読書をしてい... 2025.08.17 辻村 深月
町田そのこ 誰かのせいじゃない。自分の人生は、自分で選んでいい──『星を掬う』読後レビュー 「母に捨てられた」「不幸になったのは誰かのせい」「人生が思うようにいかない」——そんな感情にとらわれながら生きてきた主人公が、かつての母との記憶を辿り、再会し、赦し、そして自分自身の人生を歩き直すまでの物語。それが、町田そのこさんの小説『星... 2025.08.07 町田そのこ
新井素子 「くますけがいるから大丈夫」──ぬいぐるみと少女の、少し不思議で切ない物語 はじめに子どもの頃、ぬいぐるみに話しかけたり、まるで命があるように感じたりしたことはありませんか?新井素子さんの『くますけと一緒に』は、そんな“ぬいぐるみとの特別な絆”を軸に、家族の喪失、心の拠り所、そして新たな居場所を見つけるまでの成長を... 2025.08.04 新井素子
伊坂幸太郎 『重力ピエロ』伊坂幸太郎|放火と遺伝子、そして家族の絆を描く物語 伊坂幸太郎さんの小説『重力ピエロ』は、読後に静かに問いかけてくる物語です。「人は、自分の運命を変えられるのか?」「遺伝子はすべてを決めるのか?」――。放火事件と落書き、そして兄弟の心に残る傷跡が重なり合いながらも、不思議と軽やかに読ませてく... 2025.07.20 伊坂幸太郎
安壇美緒 『ラブカは静かに弓を持つ』感想|スパイとして潜入した男の静かで切ない成長物語【安壇美緒】 1. 『ラブカは静かに弓を持つ』とはどんな本か?安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』は、著作権をテーマにした異色の小説です。全日本音楽著作権連盟(全著連)で働く橘樹(たちばな いつき)が、会社の指示で大手音楽教室「ミカサ音楽教室」にスパ... 2025.06.23 安壇美緒本の紹介
本の紹介 【読書感想】夜空に泳ぐチョコレートグラミー|人とのつながりと前を向く力を描いた物語 1. 『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』とは町田そのこのデビュー作である『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』は、5編からなる連作短編集です。表紙のやわらかな印象とは裏腹に、内容は生きづらさや孤独を抱える人々の心に静かに寄り添い、前を向く力をそ... 2025.06.06 本の紹介町田そのこ