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『ミーツ・ザ・ワールド』感想|金原ひとみが描く歌舞伎町の多様な生き方と心を揺さぶる小説

1. 『ミーツ・ザ・ワールド』(著:金原ひとみ)あらすじと登場人物『ミーツ・ザ・ワールド』は、27歳の銀行員・三ツ橋由嘉里と、歌舞伎町のキャバ嬢・鹿野ライの出会いを軸に展開する小説です。オタク気質で腐女子の由嘉里が、婚活中の合コンで泥酔し、...
吉村萬壱

『みんなのお墓』感想|かわいい表紙に騙される…過激すぎる問題作の正体とは?

『みんなのお墓』レビュー|常識を超えた問題作、その魅力と嫌悪の境界線1. 衝撃の読後感──予想を裏切るタイトルと内容『みんなのお墓』というタイトルに惹かれて手に取った読者は、まずその内容に驚かされることでしょう。期待していた静謐な群像劇や、...
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『カフネ』感想|泣ける・癒される小説を深夜に読みたい人へおすすめの一冊

夜中にふと読みたくなる、優しくて、ちょっと泣けて、心がじんわり温かくなる小説を探していませんか? 今回は、阿部暁子さんの感動小説『カフネ』をご紹介します。弟の死をきっかけに動き出す姉と、弟の元恋人との再生の物語。読み進めるごとに胸が熱くなり...
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誰にも届かない声なんて、ないと思えた。『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

1. なぜ『52ヘルツのクジラたち』は今、読まれるべきなのか町田そのこさんの小説『52ヘルツのクジラたち』は、「自分の声が誰にも届かない」と感じている人にこそ読んでほしい一冊です。現代社会には、虐待やヤングケアラー、LGBTQ+などの深刻な...
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女の世界の“もやもや”を描く短編集|綿矢りさ『かわいそうだね?』感想・あらすじまとめ

1. 『かわいそうだね?』綿矢りさ|あらすじと感想レビュー『かわいそうだね?』は、綿矢りさによる恋愛と人間関係の繊細な心理描写が光る短編集です。表題作「かわいそうだね?」を含む二篇は、どれも女性視点での複雑な感情、恋愛、友情、そして“かわい...
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占いに頼りたくなる夜に。気持ちをラクにしてくれる本『強運の持ち主』瀬尾まいこ

占いは人生相談?『強運の持ち主』が教えてくれる、前に進むための優しいヒント1. 占い=特別?そんな思い込みがふっと軽くなる「占い師って神聖で特別な人」——そんなイメージを抱いていた私が、本書『強運の持ち主』を読んで最初に笑ってしまったのは、...
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『Iの悲劇』感想|地方再生とIターン支援の現実を描く社会派ミステリ

『Iの悲劇』レビュー|地方再生と人口減少のリアルを描く社会派ミステリ1. 地方創生をテーマにした社会派小説『Iの悲劇』とは『Iの悲劇』は、米澤穂信による社会派ミステリ小説であり、限界集落の再生をテーマにした作品です。舞台は架空の町・南はかま...
幸田真音

幸田真音『人工知能』小説感想|自動運転の暴走事故が描くAI社会の危うさ

1. 中国と日本のAI事情の違い近年、人工知能(AI)の進化はめざましく、特に中国ではそのスピードが異常ともいえるほど速い。監視カメラや顔認証技術、AIによるビッグデータ解析など、人権やプライバシーを犠牲にしてでも技術を前進させている姿勢は...
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『だから荒野』読了レビュー|46歳専業主婦の家出が突き刺さる!共感とスカッと感の物語

46歳の誕生日。専業主婦・森村朋美は、自ら新宿のレストランを予約し、家族とのささやかなひとときを楽しみにしていた。しかし、家を出る前から雲行きは怪しい。高校生の次男は「行かない」と不機嫌にごね、夫と大学生の長男は「お酒を飲みたいから運転して...
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ミステリー初心者でも大丈夫。『十角館の殺人』綾辻行人 が人気な本当の理由

1. 読む前に少しだけ迷っていたミステリーにちょっと興味があるけど、有名作って難しそう。そんな風に感じたこと、ありませんか?私も『十角館の殺人』を手に取る前はそうでした。「古典的すぎるのでは?」「登場人物が多くて混乱しないかな…?」そう思い...