SNSを開くたびに、誰かが誰かを責めている。
たった一つの失敗が、何万人もの怒りに変わっていく。
そんな光景に、少し疲れていませんか。
「もし自分が、ある日突然“犯人”にされたら?」
「もし本当のことを言っても、誰も信じてくれなかったら?」
そんな不安が胸をよぎったことのある方に、
今日はぜひ読んでほしい一冊があります。
浅倉秋成さんの『俺ではない炎上』。
この本を読むと、ただハラハラするだけでは終わりません。
SNSとの向き合い方が少し変わります。
人との距離の取り方を、考え直したくなります。
そして何より、
「自分も日頃の態度を改めよう」と思えるようになります。
今日は、そんな一冊の魅力を、やさしくお伝えします。

SNSで意見はいいけど、
怒ってるの怖いね。
SNSの時代に生きる私たちへ

この物語は、今を生きる私たち全員に関係のあるお話です。
スマホ一つで、人生がひっくり返る。
それが決して大げさではない時代になりました。
主人公の山縣泰介は、ごく普通の会社員。
家庭もあり、仕事もあり、それなりに築いてきた人生があります。
けれど、ある日突然。
SNS上で「女子大生殺害の犯人」として炎上します。
実名。
顔写真。
住所。
家族の情報まで。
すべてが拡散され、日本中から追われる存在になります。
もちろん、彼には身に覚えがありません。
それなのに。
誰も「本当かどうか」を確かめようとしない。
「みんなが言っているから」
「証拠っぽいものがあるから」
それだけで、真実になってしまう。
ページをめくる手が止まりません。
けれど、怖いのは物語の中だけではないところです。
「これ、現実でも起こりそう」
そう思ってしまうから、人ごとに思えなくなります。

ネットには情報が多すぎて、
全部は確かめられないね。
ただの逃亡劇じゃない、心をえぐる物語

最初は、スピード感あふれるサスペンスとして楽しめます。
逃げる。
隠れる。
疑う。
裏切られる。
緊張感が途切れません。
でも、この物語が本当にすごいのはそこではありません。
主人公は、決して立派なヒーローではないのです。
少し自信過剰。
人の話をあまり聞かない。
自分は間違っていないと思いがち。
正直、読んでいて「ちょっと面倒くさい性格だな」
と感じる瞬間もあります。
でも。
だからこそ、他人事に思えないのです。
彼が追い詰められ、
過去の自分の言動を突きつけられ、
人からどう見られていたかを思い知る場面は、とても苦しい。
読んでいるこちらも、胸が痛くなります。
けれど、その痛みの先にあるもの。
そこに、この物語の本当の価値があります。

自分は人から見たら
どう思われてるのかな?
「俺ではない」という言葉の重さ
タイトルの意味は、読み進めるほどに深くなります。
「俺ではない」
それは濡れ衣への叫びです。
でも同時に、
「自分は悪くない」と言い続ける私たちの姿でもあるのではないでしょうか。
・自分はリツイートしただけ
・自分は事実を広めただけ
・自分は正義の側にいる
そう思っているとき、
本当に誰も傷ついていないでしょうか。
この物語は、声高に説教はしません。
ただ、問いを置いていきます。
あなたなら、どうする?
あなたは、本当に無関係?
読みながら、何度も考えさせられます。

無責任に話題に
乗っかるのは
注意だね。
こんな人におすすめです
年齢を問わず、幅広い世代に読んでほしい一冊です。
特にこんな方に。
・10代〜20代で、SNSが生活の一部になっている方
・30代〜50代で、仕事や家庭の人間関係に悩んでいる方
・子育て世代で、言葉の影響力を考えたい方
・シニア世代で、今のネット社会に戸惑いを感じている方
・誰かの言葉に傷ついた経験のある方
・自分は正しいと思いすぎていないか、不安になることがある方
気分で言えば、
・モヤモヤしているとき
・誰かにわかってほしいと思っているとき
・本気で没頭できる物語を探しているとき
そんなタイミングに、ぴったりです。

SNSの使い方は、今は
親の方が勉強しないとダメかもね。
あわせて読みたい!こちらもオススメ
『傲慢と善良』辻村深月
『俺ではない炎上』で描かれた「自分は正しいという思い込み」
の怖さに共感したなら、次はこの本を。
出会った婚約者の失踪から始まる物語。
彼女を追ううちに、無自覚に他人をジャッジしていた自分たちの
「傲慢さ」が突きつけられます。
「もしかして私にも心当たりが……」と、
自分の心を見つめ直したくなる一冊。
深い人間ドラマを味わいたい方は必読です!
どんな時間に読むと心に残るか
読書の時間も、大切な要素です。
・通勤や通学の電車の中
スマホを見ている人たちの姿が、物語と重なります。
現実と小説の境界が揺らぐ感覚を味わえます。
・夜、ひとりで落ち着きたいとき
静かな部屋で読むと、孤独な逃亡の空気がよりリアルに迫ります。
・気持ちが疲れているとき
理不尽な状況に立ち向かう主人公の姿に、不思議と力をもらえます。
・前向きになりたいとき
人は変われるのか。
やり直せるのか。
その問いへの答えを、きっと見つけられます。

アカウント乗っ取られたら
パニックになちゃうね。
読後に残る、あたたかい余韻
炎上。
誹謗中傷。
冤罪。
重たいテーマです。
けれど、読み終えたあと。
不思議と、ほんのりあたたかさが残ります。
それはきっと、
人が人を信じようとする力を描いているから。
この本を読むことで、
・相手の立場を想像する余裕が生まれる
・「ごめんね」と言える強さに気づく
・完璧でなくてもいいと思える
・自分の言葉を少しだけ大切にしたくなる
そんな変化が、そっと芽生えます。
考え方が、少しだけ変わります。
心が、少し軽くなります。
「これでいいのかもしれない」と、思える瞬間が訪れます。

いざとなったらウチの家族は
信じてくれるのかな?
私が読み終えて感じたこと
私は正直、何度も心を揺さぶられました。
途中で、「え?」と声が出そうになりました。
自分の思い込みが、ガラガラと崩れる感覚。
そして終盤。 すべてのパズルのピースがはまった瞬間、鳥肌が立ちました。
同時に、自分自身のことも振り返りました。
私は今まで、ネットの情報だけで誰かを決めつけていなかっただろうか。
自分の「正しさ」を、無意識に振りかざしていなかっただろうか。
特に今は、生成AIの技術もどんどん進んでいます。
本物そっくりの画像や、動画、音声までもが、簡単に作れてしまう時代です。
だからこそ、「警察ですらフェイクに騙されて、冤罪を生んでしまうのではないか」
と、少し怖くなりました。
目に入った情報をすぐに信じ込まず、
一度立ち止まって確認する。
そんなクセをつけていかないと、
本当に恐ろしい時代になったなと痛感しています。
ただのエンタメ小説では終わらない、
とても深い読書体験でした。
怖かった。 苦しかった。
でも最後には、どこか救われました。
私はこの本を閉じたあと、自分の発信する言葉を、
もう少し大事にしようと思いました。
そして、最初からもう一度読み返したくなりました。
もし今、次に読む本に迷っているなら。
SNSや人間関係で、心が少し疲れているなら。
浅倉秋成さんの『俺ではない炎上』を、
ぜひ手に取ってみてください。
きっとあなたの中にも、
「日頃の情報の受け取り方を見直してみようかな」
と思えるような、 確かな変化を残してくれる一冊になりますよ。

炎上しちゃダメだよ。
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