この本から得られるもの
『キャンプをしたいだけなのに 雪中キャンプ編』は、ただのキャンプ小説ではありません。
読むことで、こんな体験や気づきを得られます。
- 実際のキャンプ描写から、リアルなアウトドア知識が自然に身につく
- 幽霊や怪しい人物との遭遇で「怖いのに笑える」緩急を楽しめる
- 主人公ナツの過去や成長を通じて、人との距離感や関わり方を考えさせられる
- 読後には「生きるって悪くない」と前を向ける力を感じられる
一言でいえば、アウトドア×サバイバル×人間ドラマが融合した極上のエンタメ小説。
ホラー好きにも、ヒューマンドラマ好きにもおすすめできる作品です。
👉 前作『キャンプをしたいだけなのに』の紹介記事はこちらからどうぞ
ただキャンプをしたいだけなのに…?
タイトル通り、主人公・斉藤ナツは「キャンプをしたいだけ」。
日常から離れ、一人の時間を楽しみたい――ただそれだけの願いを胸に、雪深いキャンプ場へ向かいます。
けれど、彼女のキャンプはなぜか平穏で終わらない。
気づけば幽霊のような存在に出会い、怪しい人間に巻き込まれ、命をかけたサバイバルが始まります。
「静かに過ごしたい」という望みとは裏腹に、非日常がどんどん押し寄せてくる。
このギャップが面白く、読み始めると止まらなくなります。
雪中キャンプのリアルな描写

今回の舞台は、雪に包まれた冬のキャンプ場。
テントを張るために雪を掘り、シャベルで道を作り、ストーブを準備する――。
作者の山翠夏人さんは本当にキャンプが好きなんだなと感じるほど、雪中キャンプの工程がリアルに描かれています。
焚き火の暖かさ、寒さの厳しさ、雪に囲まれた静寂。読んでいるだけで、自分まで冬キャンプを体験している気分に。
アウトドアに興味がある人にとっては知識としても役立ちますし、経験のない人でも「雪中キャンプってこういう世界なんだ」と想像をふくらませることができます。
怪しい登場人物たち
キャンプ場にはさまざまな人が集まっています。
- 不気味な雰囲気を漂わせる管理人の老人
- 動画配信をしているYouTuberカップル
- そして、ナツの幼なじみとして現れる懐かしい人物
一見普通に見える彼らも、どこか違和感があり、読み進めるほどに「本当に大丈夫なのか?」と不安を煽ってきます。
この「人間が一番怖い」という感覚は、前作以上に強く感じられるかもしれません。
ナツの過去と成長
『雪中キャンプ編』の大きな特徴は、ナツの小学生時代の記憶が物語に深く結びついていることです。
孤独だった子ども時代、他人とうまく関われなかったこと、そして心に残る幼なじみとの出来事。
こうした背景が描かれることで、これまで自分の信念を貫くあまり「人嫌い」と思われていたナツが、
実は人を拒んでいたのではなく、ただどう接していいか分からなかっただけなのだと伝わってきます。
だからこそ、彼女がキャンプを通して人と向き合い、少しずつ変わっていく姿は胸を打ちます。
「人と関わるのは怖い、でも一歩踏み出してみたい」――そんな思いを抱える読者にとって、大きな共感ポイントになるでしょう。
怖いのに笑える瞬間
シリーズの面白さは、ただ怖いだけではないところ。
幽霊や怪しい人物とのやりとりの中に、思わず笑ってしまうようなシーンが散りばめられています。
重たい雰囲気になりすぎず、笑いと恐怖のバランスが絶妙。
そして、緊張がほぐれたと思ったら再びサバイバルに突入――この緩急がクセになります。
「こんな状況でそんなこと言う?」というナツの冷静すぎる反応には、前作同様クスッとさせられる場面も。
クライマックスは怒涛の展開
前半はゆったりと人物や背景が描かれますが、後半にかけて一気に加速。
伏線が回収され、物語が収束していくスピード感は圧巻です。
雪中キャンプという舞台の中で繰り広げられる戦いと人間模様。
最後には、やはり涙を誘う感動の瞬間が待っています。
「ただのホラーじゃない」「ただのアウトドア小説じゃない」と強く感じさせるラストでした。
読んで感じたこと

私は前作からすっかりハマっていたのですが、今回の『雪中キャンプ編』も負けず劣らず楽しめました。
- キャンプ場の臨場感
- ナツの人間味のある成長
- 怖いけれど笑えるやりとり
- そして最後にホロリとさせる感動
この全てが組み合わさり、「やっぱりこのシリーズは面白い!」と再確認できました。
また、前作よりもナツ自身の内面が丁寧に描かれているので、彼女を「冷たい人」ではなく「不器用だけど優しい人」と感じられるようになり、ますます好きになりました。
こんな人におすすめ
- サバイバルサスペンスを楽しみたい人
- キャンプやアウトドアが好きな人、興味がある人
- クスッと笑える軽快なやりとりが好きな人
- 主人公の成長や人間ドラマに惹かれる人
- 前作を読んで「もっとナツを知りたい」と思った人
ジャンルを一つに絞れないくらい、いろんな楽しみ方ができる小説です。
まとめ
『キャンプをしたいだけなのに 雪中キャンプ編』は、
- 雪中キャンプのリアルな描写
- 怪しい人物たちとのスリリングなやりとり
- ナツの過去と成長を描く人間ドラマ
- 怖さと笑い、そして感動の融合
これらが絶妙に組み合わさった、極上のエンタメ小説です。
ただキャンプをしたいだけなのに――。
その願いから始まる物語は、予想以上のスリルと深い感動を届けてくれます。
もし前作が面白かったと感じたなら、この続編もきっと期待以上に楽しめるはず。
そしてまだシリーズを読んでいない方にも、最初の一冊としておすすめできる良作です。
⛺ この先の続刊にも大きな期待が膨らみます。
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