【書籍紹介】久坂部羊『怖い患者』――誰の心にも潜む「黒い感情」と向き合う医療サスペンス

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SNSやニュースを見ていて、「一体何を信じればいいのだろう」と
漠然とした不安を抱くことはありませんか。
あるいは、誰かの何気ない一言にモヤモヤして、
帰り道にずっと考え込んでしまう夜もあるかもしれません。
心が疲れて揺らいでいるときにこそ読んでほしいのが、久坂部羊さんの『怖い患者』です。
ごく普通の人が、ちょっとした思い込みや不安から少しずつ心のバランスを崩していく様子を、
鏡のように映し出してくれる本作。

読み進めるうちに「もしかしたら、私の中にもこの感情があるかもしれない」と
ハッとさせられます。
人間の見たくない部分にスポットライトを当てつつも、
読み終えた後には自分や周りの人に対して少しだけ寛容になれる、
そんな不思議な魅力を持った一冊です。

読書と猫が大好きです。
「次に何読もう?」のヒントになる記事を届けています。
あなたの“次の一冊”につながればうれしいです。

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思い込みが現実を歪める恐ろしさ

人は一度「自分が正しい」と信じてしまうと、周りの景色が全く違って見えてしまう生き物です。

原因不明の体調不良に悩む女性や、テレビ出演を機に承認欲求に囚われていく女性医師など、
物語に登場するのは日常を懸命に生きる普通の人々。
それなのに、ほんの少しボタンを掛け違えただけで、
ストーカー加害者と被害者の境界線が曖昧になったり、
他人の不幸を喜ぶ自分に気づいてしまったりします。
自分が信じたい「物語」にすがりつく人間の弱さがリアルに描かれており、
ページをめくる手が止まらなくなります。

ネオンくん
ネオンくん

この人がやるのはOKだけど
この人がやるとOUTだよねってことあるよね。

善意と不安が交差する日常の危うさ

よかれと思って行動したことが、かえって思わぬ摩擦を生んでしまうことってありますよね。

デイサービスで起こる高齢者同士の小さな衝突や、
匿名の手紙をきっかけに疑心暗鬼に陥る妊婦のエピソードは、まさに日常の延長線上にあります。 公平であろうと努力するほど問題が起きてしまう現場のリアルさや、
平和だったはずのコミュニティがわずかな不信感で崩れ去る脆さ。
どれも対岸の火事とは思えないテーマばかりで、
人と人が関わり合うことの難しさを突きつけられます。

ゴハンくん
ゴハンくん

タイミングや少しのニュアンスの違いで
自分の予想と違う展開になっちゃう事たまにあるかも。

この本はこんな方におすすめ

・人付き合いに少し疲れやモヤモヤを感じている方
・情報の真偽に敏感になり、何を信じるべきか悩んだ経験がある方
・心理的なヒューマンドラマをじっくり味わいたい方

一日の家事や用事が終わり、ホッと一息つく夜の時間。
ネオンくんやゴハンくんのような愛猫がそばで丸くなっている穏やかな空間で、
一人じっくりと活字に没頭したいときにおすすめです。
または、通勤電車の中で日常から少し離れて知的刺激を受けたいときにもぴったり。
この本を読むことで「自分はいつでも正しい」という思い込みがほぐれ、
心の中に黒い感情が芽生えても「人間だから仕方ないよね」と、
少しだけ自分を許せるようになるはずです。


【あわせて読みたい】「自分は善良だ」という思い込みが揺らぐ傑作 

『怖い患者』で描かれた人間の心の脆さや、思い込みの怖さに惹きつけられた方には、
辻村深月さんの『傲慢と善良』もおすすめです。
「自分は普通で、間違っていない」――そんな無意識の傲慢さに気づかされ、
読後には自分の足元がぐらぐらと揺らぐような感覚を味わえます。
人間の心理をさらに深く潜ってみたい方は、こちらのレビューも覗いてみてください。

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情報の波に飲み込まれないために

何が本当で何が嘘なのか、それを見極めるのが非常に難しい時代になりました。

とある薬の副作用を巡るエピソードでは、
患者が信じ切っていた「原因」と実際の「事実」との間にある深い溝が浮き彫りになります。
被害者としてメディアに出演し世間の注目を浴びていく中で、次第に揺らいでいく真実。
正しい情報を掴むことの難しさと、
偏った正義感や被害者意識を持つことのリスクについて、深く考えさせられます。

ネオンくん
ネオンくん

陰謀論とかもそれっぽく
思えてきちゃうよね…

読み終えて感じたこと

本を閉じた瞬間、ふうっと深いため息をついてしまいました。

私はこの本を読みながら、恐ろしさを感じると同時に、ひどく納得している自分がいました。
息子の高校受験でピリピリしていた時期や、
娘の体調不良で不安に押しつぶされそうになっていたとき、
私も無意識のうちに周りに対して「怖い患者(=過剰な思い込みを持つ人)」
になっていた瞬間があったのではないか、と気づかされたからです。
人と直接関わるのが少し苦手で、
こうしてブログの文字を通して気持ちを整理する方が落ち着く私にとって、
登場人物たちの不器用な心の揺れ動きは痛いほどよくわかりました。
自分の中にある弱さやズルさから目を背けず、それも含めて人間なんだと受け入れること。
人間の本質を見つめ直すことができる、とても意義深い読書体験になりました。

ゴハンくん
ゴハンくん

なんでもとらわれすぎず
バランスが大事だよね。

ネオンくん
ネオンくん

そうだよ。
チュールばかり食べないで
カリカリもバランスよく食べなよ。


気になった方はこちらからチェックしてみてください。

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