逢坂冬馬 『同志少女よ、敵を撃て』|戦争、復讐、そして正義とは何か 1. はじめにもし、すべてを奪われたら——あなたは何のために戦いますか?そして、どこまでが“正義”だと信じられますか?逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』は、そんな問いを突きつけてくる物語です。本書は、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞... 2025.07.30 逢坂冬馬
久坂部羊 【書籍紹介】『怖い患者』久坂部羊|その感情、狂気と紙一重? 1. 本書は誰におすすめか精神的な揺らぎを感じている方医療現場や医者と患者の関係に興味のある方人間の心理や内面の闇に惹かれる読書が好きな方コロナ禍以降、「何を信じればいいのか」不安になった経験がある方短編でも骨太な読み応えを求める人自分は普... 2025.07.28 久坂部羊
喜多川泰 『賢者の書』喜多川泰|変わりたい人に届いてほしい本 1. はじめに|この本が心を動かす理由『賢者の書』は、読み終えた瞬間に「今日から新しい人生を生きよう」と思わせてくれる稀有な一冊です。単なる自己啓発書ではなく、物語を通して深く人生の本質に問いかける力を持っています。喜多川泰さんの作品はどれ... 2025.07.27 喜多川泰
くわがき あゆ 真相はどこにある?妹の死を巡る衝撃サスペンス『レモンと殺人鬼』 ――読者の心を翻弄する、狂気と哀しみの迷宮1. はじめに:これはただのミステリーじゃない『レモンと殺人鬼』。この不穏で印象的なタイトルに惹かれてページを開いた瞬間から、読者はもう元の世界には戻れません。通り魔に父を殺され、母は失踪、そして唯... 2025.07.26 くわがき あゆ
千早茜 『しろがねの葉』千早茜|銀山に生きた少女ウメの物語 1. はじめに|なぜ今、『しろがねの葉』なのか千早茜さんの小説『しろがねの葉』は、戦国時代末期、関ヶ原の戦いを挟んだ時代の石見銀山を舞台に、一人の少女・ウメの人生を描いた物語です。歴史小説でありながら、名を残さぬ人々の息づかいや、時代に抗い... 2025.07.25 千早茜
北大路公子 お墓選びの迷いと笑いの記録|『お墓、どうしてます?』感想 — 死と暮らしと「決められない私」を抱きしめるユルくて強いエッセイ1. 本書の概要:お墓の話かと思ったら…タイトルにある「お墓、どうしてます?」という問いは、多くの人にとって他人事ではありません。親のこと、自分のこと、家族のこと——近づいて... 2025.07.23 北大路公子
宮島未奈 【読了レビュー】『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈|まっすぐすぎる彼女に惹かれずにいられない 前作『成瀬は天下を取りにいく』の記事はこちら1. はじめに:再び、成瀬が帰ってきた『成瀬は天下を取りにいく』で多くの読者に強烈な印象を残した成瀬あかり。前作の衝撃から、「続きが読みたい」「成瀬にまた会いたい」と願っていた方も多いのではないで... 2025.07.21 宮島未奈
伊坂幸太郎 『重力ピエロ』伊坂幸太郎|家族の絆と遺伝子の物語 伊坂幸太郎さんの小説『重力ピエロ』は、読後に静かに問いかけてくる物語です。「人は、自分の運命を変えられるのか?」「遺伝子はすべてを決めるのか?」――。放火事件と落書き、そして兄弟の心に残る傷跡が重なり合いながらも、不思議と軽やかに読ませてく... 2025.07.20 伊坂幸太郎
坪井聖 『なでしこの記憶』感想|優しさに癒やされ涙する青春小説 はじめに『なでしこの記憶』は、ページをめくるたび胸がぎゅっと締めつけられ、読み終わる頃にはその痛みがじんわりと温かい涙に変わっている――そんな不思議な読後感をもたらしてくれる青春小説です。絵を描く意味を見失った少年・矢崎颯斗と、笑顔の奥に深... 2025.07.19 坪井聖
松下龍之介 『一次元の挿し木』感想|科学と信仰、そして人間の存在 1. 湖から現れた骨と、妹のDNAが一致するという衝撃冒頭、湖の底から発見された200年以上前の人骨と、現代のDNAが一致するという異常事態から物語は動き出します。DNA鑑定の結果、その骨と一致したのは、行方不明となっていた少女・紫陽(しは... 2025.07.18 松下龍之介