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現代小説

一穂ミチ

一穂ミチ『スモールワールズ』|生きることの不自由さを、それでも抱きしめたくなる一冊

この本で得られるもの一穂ミチさんの『スモールワールズ』は、家族や人間関係の中で生まれる「言葉にしにくい感情」を繊細に描いた短編集です。この本を読むことで――家族や身近な人との関係を振り返るきっかけになる他人の苦しみは完全には理解できないと知...
一穂ミチ

愛か、不信か。性犯罪をテーマに描く衝撃の恋愛小説|『恋とか愛とかやさしさなら』

1. はじめに:この本で得られるもの一穂ミチさんの『恋とか愛とかやさしさなら』は、「愛」と「信頼」、そして「許し」とは何かを問いかけてくる衝撃的な小説です。読み終えたとき、心の奥底を揺さぶられ、次のような気づきを得られるはずです。大切な人が...
原田ひ香

6人の“月収”から見えてくる、人生の本当の豊かさ

1. はじめに──お金は人生のすべてか?原田ひ香さんの『月収』は、お金を軸に6人の人生を描く連作短編集です。登場するのは、年齢も立場も背景もまったく異なる人たち。老後資金に悩む女性、夢と生活の狭間で揺れる作家、将来を見据えて投資に挑む会社員...
宮島未奈

【読了レビュー】『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈|まっすぐすぎる彼女に惹かれずにいられない

前作『成瀬は天下を取りにいく』の記事はこちら1. はじめに:再び、成瀬が帰ってきた『成瀬は天下を取りにいく』で多くの読者に強烈な印象を残した成瀬あかり。前作の衝撃から、「続きが読みたい」「成瀬にまた会いたい」と願っていた方も多いのではないで...
川上未映子

生きるって、こんなに過酷で、優しい──川上未映子『黄色い家』感想

「生きるって、こんなに過酷で、こんなにも優しい──」そんな矛盾に、涙が出そうになる物語に出会いました。川上未映子さんの『黄色い家』は、社会の片隅で声を上げられずに生きてきた女性たちの、生々しくて切実な日々を描いた物語です。読み進めるほどに、...
本の紹介

『あの日、タワマンで君と』ネタバレなし感想・あらすじ|生活交換から始まる狂気と非日常の物語

もし、今の生活を誰かと入れ替えられるとしたら? そんな非日常への憧れと少しの怖さが入り混じる一冊、『あの日、タワマンで君と』(森晶麿)。 地上47階という“異世界”で繰り広げられるのは、常識を越えたショーと、生活そのものをかけたゲームだった...
本の紹介

誰にも届かない声なんて、ないと思えた。『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

1. なぜ『52ヘルツのクジラたち』は今、読まれるべきなのか町田そのこさんの小説『52ヘルツのクジラたち』は、「自分の声が誰にも届かない」と感じている人にこそ読んでほしい一冊です。現代社会には、虐待やヤングケアラー、LGBTQ+などの深刻な...
本の紹介

女の世界の“もやもや”を描く短編集|綿矢りさ『かわいそうだね?』感想・あらすじまとめ

1. 『かわいそうだね?』綿矢りさ|あらすじと感想レビュー『かわいそうだね?』は、綿矢りさによる恋愛と人間関係の繊細な心理描写が光る短編集です。表題作「かわいそうだね?」を含む二篇は、どれも女性視点での複雑な感情、恋愛、友情、そして“かわい...
チョ・ナムジュ

女性の生きづらさに“気づけない”あなたへ。『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ著

目次はじめに:ディストピアではなく「現実」の物語自分ごととして突き刺さる描写女性に課せられる“見えない条件”日本も例外じゃない男性にこそ読んでほしい理由まとめ:社会はすぐに変わらなくても、気づくことから1. はじめに:ディストピアではなく「...
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