『灼熱』読了レビュー:整形、復讐、そして揺れる心の先にある真実とは
#読了 #灼熱 #心理サスペンス
秋吉理香子による小説『灼熱』は、愛する夫の死の真相を暴くため、顔と名前を変え、容疑者に近づいた女性の壮絶な復讐と葛藤を描く心理サスペンスです。真実が明かされたとき、あなたはきっとページをめくる手を止められなくなるでしょう。
1. 『灼熱』のあらすじと導入
主人公・咲花子(さきこ)は、夫・忠時の転落死をきっかけに人生が一変します。夫は投資詐欺をしていた疑いがあり、詐欺の被害者である医師・久保河内英雄が容疑者として逮捕されますが、証拠不十分で釈放。
怒りに震える咲花子は、顔を整形し、自殺した佐藤絵里として生まれ変わり、英雄に近づいて結婚。目的はただひとつ——夫の死の真相を突き止め、英雄が犯人である証拠を掴むことでした。
2. 偽りの結婚と、芽生える本物の感情
結婚生活は決して穏やかではありません。咲花子は英雄の妹・亜希子の介助を通じて、徐々に家庭内の信頼を得ていきます。英雄の冷静な態度や家族思いな一面にふれるうち、「本当に彼が犯人なのか?」という疑念が芽生え始めます。
復讐心で燃えていたはずの咲花子の心に、揺らぎが生まれ、やがてそれは“本物の愛情”へと変わっていくのです。
3. 夫・忠時の過去と真相への鍵
物語の中盤では、忠時が本当に詐欺をしていたのか?なぜ彼は死んだのか?という新たな疑問が浮かび上がります。英雄の供述と、忠時の関係者の証言が少しずつ重なり、真実が明らかになっていきます。
その過程で、読者は「過去の罪とどう向き合うべきか」「赦しとは何か」という深いテーマにも直面することになります。
4. 想像を超えるラストと読後感
終盤、咲花子が手に入れた“真実”は、予想をはるかに超えるものでした。犯人と思われた英雄の真意、忠時の過去、そしてそれを見届けた咲花子の選択は、読み手の感情を大きく揺さぶります。
「今はいい人でも、過去に犯した罪は償うべき」 「隠し続けた罪は、いずれ自分に返ってくる」
そんな思いがじわじわと胸に残り、読後には深い余韻とともに“人生の選択”について考えさせられる一冊でした。
5. 『灼熱』はどんな人におすすめ?
この作品は、30代〜50代の女性で、心理描写の深い物語を好む読者に特におすすめです。
- ミステリーやサスペンスが好きな人
- 湊かなえや真梨幸子の作品が好きな人
- 「復讐」と「愛」の間で揺れるドラマに惹かれる人
- 罪と赦しというテーマに興味がある人
ページをめくるたびに心を揺さぶられる、濃密な読書体験が待っています。
まとめ
『灼熱』は、単なる復讐劇ではなく、人間の心の奥深さと、予想を裏切る構成が魅力の心理サスペンスです。
整形、偽りの結婚、そして揺れる感情——
その先にある“真実”を、あなたもぜひ見届けてみてください。
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