占いに頼りたくなる夜に。気持ちをラクにしてくれる本『強運の持ち主』瀬尾まいこ

『強運の持ち主』の読書感想。占いを通じて前向きになれる短編集のイメージ画像 本の紹介

占いは人生相談?『強運の持ち主』が教えてくれる、前に進むための優しいヒント

1. 占い=特別?そんな思い込みがふっと軽くなる

「占い師って神聖で特別な人」——そんなイメージを抱いていた私が、本書『強運の持ち主』を読んで最初に笑ってしまったのは、主人公のセリフ。「占いなんて、所詮人生相談で背中を押してあげればいいのよー」というゆる〜い発言です。

肩の力が抜けるこの言葉と共に、占いに対するイメージがガラリと変わりました。読後は、街の占いコーナーを通りかかったときに、ふとルイーズの姿を思い出してしまうほど。占い師にお金を払うことは多分一生ないけれど(笑)、それでも「いい本だった」と心から思える読書体験でした。

2. あらすじ:芯のある占い師・ルイーズが描く短編集

『強運の持ち主』は、少しでたらめだけど芯のある、一人立ちした占い師・ルイーズ吉田が主人公の短編集です。OLから転職して占い師になった彼女が、さまざまなお客さんの悩みに寄り添いながら、自分自身も前に進んでいく姿が描かれています。

直感でアドバイスをしたかと思えば、急に本気で姓名判断を始めるなど、「えっ、実は実力あるの?」と思わせるギャップも魅力のひとつです。

3. モヤモヤを抱えた人に寄り添うやさしさ

この本の魅力は、「占い」というテーマを通して、読者の心にそっと寄り添ってくれる点です。特に、最近仕事や人間関係でモヤモヤしている人にとって、共感ポイントが多い作品です。

誰にも相談できないこと、自分の選択に自信が持てないこと、そして“自分の目の前の景色が見えなくなる”ような時期……そんな瞬間に、誰かに頼ってもいいんだと、そっと背中を押してくれる内容になっています。

4. ルイーズの占いスタイルに救われる

ルイーズは、占い結果がどんなに悪くても、ポジティブな視点で伝えるよう心がけています。たとえば、星の運命や姓名判断でマイナスな未来を見てしまっても、「でもこう考えれば大丈夫」と伝える優しさがある。

読んでいて「これは占いというより人生相談では?」と思う場面も多々ありますが、まさにその“相談”的な姿勢が、この本の読後感をほんわか温かいものにしているのです。

5. 特別じゃなくていい。平凡の幸せを見直す物語

中でも印象的だったのは、強運の彼氏と生活するルイーズのお話。彼氏は目立った特技も才能もなく、変な料理ばかり作る。でも、なんだかんだ一緒にいて居心地がいい。

この話を読んで、「特別ずば抜けた才能なんかなくても、平凡な毎日でも、それが一番の幸せかもしれない」と思えました。今の自分の環境を少し肯定したくなるような、あたたかな気持ちになれる一編です。

6. 自分を信じる勇気をくれる一冊

『強運の持ち主』は、占いという切り口を通して、「最終的に信じるのは自分の直感なんだ」と思わせてくれる本でもあります。迷ってばかりの毎日だけど、それでも前に進む力が、自分の中にあると気づかせてくれるのです。

そして、一人で何でもこなしていたルイーズが、最後に“誰かを頼る”ことを覚えるシーンには、思わずグッときました。頼ることは甘えじゃない。時には、それが新しい人生の扉を開く鍵になるのかもしれません。

7. 旅行前にも読みたい「人の背景」が見える本

旅に出る前、その土地の歴史や文化だけでなく、そこに生きる“人の背景”を知ることができたら、もっと深い旅になると思いませんか?

本作は占いを通して、いろいろな人生や背景を垣間見ることができる作品です。旅行前に読むと、人との出会いや、ちょっとした会話のありがたさを再確認できるかもしれません。

8. まとめ:悩みを手放したいあなたに

『強運の持ち主』は、肩の力を抜いて読めるけれど、心の奥にはちゃんと届いてくる作品です。不安や迷いを抱えている時、自分を信じられない時、この本がそっとあなたの背中を押してくれるでしょう。

人生に迷ったとき、誰かの優しい視点で物事を見てみたい——そんな時におすすめの一冊です。

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強運の持ち主
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